発展途上国の生産者たちの生活を守り、自立へとつなげる「フェアトレード」。

「フェアトレード」は、SDGsへの目標達成において、とても重要な役割を果たすキーワードの一つです。

この記事では、日本国内の企業でも早くから「フェアトレード」に取り組み、SDGsを経営に実装してきた『小川珈琲』を紹介します。

「フェアトレード」とは

私たちは日々たくさんのものを消費しながら生活していますが、それらが生産されてから手にするまでに、どれほど多くの人が関わっているのかを意識する人は少ないのではないでしょうか。

例えば、コーヒー・紅茶・ココアといった嗜好飲料や、チョコレート。

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これらを生産している国のほとんどは、いわゆる”発展途上国”と呼ばれる国々です。

発展途上国と先進国間の貿易は、先進国に有利な仕組みになっているため、日本の市場では、途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていることも珍しくありません。

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一方で、発展途上国では、“安さ”を生み出すため、時として生産コストを下回る価格で提供せざるを得ず、不安定な生活を余儀なくされている場合も。

私たちが安価で便利な製品を手にできるのは、発展途上国の人たちの低い賃金や劣悪な労働環境と引き換えになっていることが多く、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用されることで環境破壊につながったり、生産地の人々の健康に害を及ぼしたりといった事態が起こっています。

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品質の良いものを生産し続けるためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、自然環境にも配慮がなされる”持続可能な取引のサイクル”を作っていくことが重要です。

直訳で”公平・公正な貿易”を意味する「フェアトレード」は、このような不平等をなくし、途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」を指します。

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世界の国々の貧困問題に対する詳細は下記記事をチェック。

▶︎ 世界の貧困問題の現状とは?貧困の原因や取り組みの例を紹介

早い段階からフェアトレードに取り組んできた『小川珈琲』

持続可能な社会の実現を目指し、さまざまな企業がSDGsを実施している現在。

京都発のコーヒー製造会社『小川珈琲』でも、早い段階からフェアトレードに取り組んでいます。

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ただ企業利益を追求するのではなく、生産者が満足できる労働環境や生活水準を維持する公正な取引を行うことこそ、美味しいコーヒーをつくり続ける秘訣だと考える『小川珈琲』。

2015年9月より国連サミットで採択されたSDGsですが、それ以前からサステナブルな取り組みを行っていた『小川珈琲』では、2003年に以下の基準を満たす”国際フェアトレード認証ラベル商品”を製造するライセンスを取得しました。

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それ以来、創業から70年、本物のコーヒーの味わいを追い求め続けてきた”京都の珈琲職人”らしいこだわりを持って、「国際フェアトレード認証コーヒー」を販売しています。

そんな『小川珈琲』が掲げるSDGs宣言は、「一杯のコーヒーからできること」。

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“美味しいコーヒーを提供し続ける”という使命のため、地球の自然環境や持続可能な社会を保つ活動を積極的に進めています。

ここからは、『小川珈琲』のフェアトレードに関する具体的な取り組みについて紹介していきます。

地球環境や動物保護への取り組み

従来、熱帯の森林で栽培されてきたコーヒー豆。伝統的なコーヒーは、シェードグロウン(木陰栽培)と呼ばれる方法で栽培されてきたといいます。

ところが近年になり、栽培コストを削減するため、森林を伐採してコーヒー豆の栽培を行うようになり、渡り鳥たちが休息をする場所が失われてしまいました。

そこで、米国のスミソニアン渡り鳥センターが、渡り鳥の生息地であるコーヒー農園を保護し、持続可能なコーヒーの生産を掲げる認証基準として、1999年に「バードフレンドリー認証コーヒー」を設定。

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渡り鳥が住む森林で、自然環境に近いシェードグロウン(木陰栽培)でコーヒーを有機栽培し、それらをプレミアム価格で継続的に買い取ることで、生産農家の生活も支援しながら渡り鳥たちの居場所を保護できるプログラムとなっています。

『小川珈琲』では、このコーヒーを「バードフレンドリー認証コーヒー」を、2005年から日本で最初に販売しました。

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さらに、世界的に稀な生物多様性を有するインドネシアの熱帯雨林と、そこに住む絶滅危惧種に指定される動物 オランウータンを保護するプロジェクト「オランウータンコーヒープロジェクト」にも参加。

「インドネシア スマトラ オランウータンコーヒー」の名称で、2017年よりオランウータンコーヒーを発売しています。

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ほかにも、化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使用せず、可能な限り環境にかかる負荷に配慮した有機栽培方法で生産されたものだけが認証される「有機JASマーク」を2001年に取得。

さまざまな角度から、自然環境の保護や動物の保全活動を支援しています。

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途上国の子どもたちや女性を支援

コーヒーの生産地はほとんどが経済格差の大きな発展途上国で、コーヒー生産に従事する人口のうち7割が女性だと言われています。

中でも、コーヒー発祥の地であり、現在も世界有数のコーヒーの産地として有名なのがエチオピア。

『小川珈琲』は、エチオピアの過酷な環境下で生活をしながらも、笑顔を絶やさず懸命に生きる子どもたちの教育環境や、その母親である働く女性たちの雇用整備の向上を目指す「One of Loveプロジェクト」に賛同しています。

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さらに、子宮頸がんの早期発見や早期治療を目指し、エチオピアやケニアを中心に女性の健康のために活動するアフリカの非営利団体「Grounds for Health(グラウンズ フォー ヘルス)」を支援。

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『小川珈琲』は、コーヒーのサプライチェーンの中でも、特に「自然環境」や「世界中の人々の幸せ」を守りたいと考え、多くの活動を支持しています。

美味しいコーヒーを次の世代につなげるために

発展途上国の生産者の生活を支えて貧困をなくし、環境を守りながら質の高い生産を継続できる「フェアトレード」。

今や世界の共通語となりつつある「SDGs」ですが、『小川珈琲』では、「SDGs」やそれに関する言葉ができる前の段階から、いち早く「フェアトレード」や「サステナブル」な活動に取り組んできました。

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『小川珈琲』が販売するコーヒーは、単に味や香りが良いだけでなく、地球環境や発展途上国の労働者に配慮したものが多く、消費者である私たちも「SDGs」への取り組みに参加することができます。

オンラインでのお取り寄せもできるので、是非公式サイトより詳細をチェックしてみてください。

▶︎『小川珈琲』公式サイト

https://www.oc-ogawa.co.jp/