寄付にもいろいろな種類がある

一口に寄付といっても現代では様々なタイプの寄付があります。募金箱に直接お金を入れるタイプであったり、クレジットカードから世界中どこでも送金できるタイプであったり、お金ではない物や食品の提供であったりと色々です。インターネットで検索すると、非常にたくさんの寄付先や寄付方法がでてきます。寄付に興味のある方は少し調べるだけで自分に合った寄付先や寄付方法を選べる時代になりました。しかし、寄付には多くのメリットがある一方で、覚えていてほしい注意点などがあります。本記事ではそんな多様化する寄付のメリットや注意点などについて紹介していきます。寄付することを検討している方はぜひ本記事を参考にしてみてください。

寄付することで得られるメリット

前提として寄付という行為にはメリットがとても多いです。それは寄付を受ける側にも、寄付をする側にもいえます。それらのメリットがいったい何なのか見ていきましょう。

節税することができる

実は寄付の金額が一定以上になると『寄付金控除』という制度を受けられる場合があります。具体的には、寄付の総額が2001円以上になる場合、所得税や住民税といった税を減額してもらうことが可能です。寄付に見返りを求めていないという方も多いと思いますが、自分の寄付が節税という目に見える形で還元されるのはうれしいですよね。お住いの自治体や寄付先によっても変わってくるので、寄付金控除をうけたい方は事前にしっかりと調べておく必要があります。

相続税が免除されることがある

財産を寄付することにより、相続税が課税されない場合があります。相続税は財産がある場合に必ずかかると思っている方もいるかもしれません。しかし条件を満たしている場合に限り、財産を寄付することによって相続税が課税されなくなります。必ずしも財産を家族に残そうと思っていたり、家族が財産を受け継ぐ気があるわけではありませんよね。そういった場合には、寄付によって相続税を課税対象から外してもらうことも出来ます。

メリットだけではない!寄付の注意点

寄付のメリットについて紹介してきましたが、もちろん注意点もあります。特に以下の注意点は実際に寄付をしてみないと気づかない点であり、寄付をしていても知らない方が多い事項なので、しっかりと覚えておきましょう。

支払い方法によって会員登録や問い合わせが必要なことがある

現代の寄付は様々な支払方法に対応しています。とくにクレジットカード支払いは便利なので利用したい方も多いと思います。しかし、クレジットカード支払いを選択した場合、事前の会員登録を求められることもあります。会員登録をして何かデメリットがあるわけではないのですが、その手間や個人情報を登録したくない、という方もいると思います。その場合はクレジットカード支払い以外の支払い方法を選択するようにしてください。また、寄付の定期支払いを申し込んでいる場合は寄付をやめようと思っても引き落とし等の関係ですぐに解約することが出来ない場合があるので注意が必要です。

寄付金控除には限度額がり、寄付の対象もすべてではない

メリットとして挙げた寄付金控除についてですが、支出を抑えるという意味で寄付金控除をするのはおすすめしません。というのも、寄付金控除の限度額は寄付金よりも少ないので、所得税や住民税の控除を受けたとしても寄付による支出が上回ることになります。寄付金以上のリターンを望めるものではないので、あくまで余裕資金のなかで寄付を行うことをおすすめします。また、寄付金控除は2001円以上の寄付をしている場合に受けられますが、寄付先や各自治体の規定によっては寄付金控除の対象ではない場合があります。また寄付金控除を受ける際には『確定申告』をする必要があります。「やり型がわからない」、「会社的に大丈夫なのか?」と思う方もいると思いますが、そこは事前に確認する必要があります。確定申告自体は代行してくれるサービスも多くあるので、利用してみるとよいでしょう。

財産の寄付で相続税がなくなる場合とそうでない場合がある

財産の寄付に関しては、相続税が課税されない場合と寄付をしても相続税が課税される場合があります。ポイントとなるのは『遺言があるかないか』です。遺言の中で寄付について言及されていたら、寄付をした際に相続税が課税されません。しかし、生前に口頭で伝えていたとしても遺言が残っていない場合は財産を寄付しても相続税がかかってしまうので注意が必要です。仮に遺言が残っている場合でも、生前に家族の同意を得ていない場合、多方面でのトラブルが想定されます。財産の寄付を検討している場合には、残された家族が無駄に相続税を払ったり、また寄付が行われないといった事態を防ぐために、しっかりと事前に家族と話し合っておく必要があります。

寄付は素晴らしいが問題となっているケースもある

ここまで寄付全般にいえるメリットと注意点について触れてきましたが、特定の寄付に関して世界で問題になっているケースを紹介します。それは『アフリカへの衣服の寄付』です。アフリカへの衣服の寄付は世界中で行われており、需要に対して供給が大幅に上回っている状態です。そのため、使われない服はアフリカで大半が埋め立てられているという現実があります。それに加え、アフリカでは寄付された衣服が流通しているため、アパレル産業が育たないといった問題も抱えています。使わなくなった衣服を寄付するという気持ちは素晴らしいことですが、アフリカの現状をみて、その衣服の寄付が本当に必要とされているのか今一度考えてみてください。アフリカへの寄付は衣服以外にも様々な方法があるので、そういった寄付方法を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

寄付にはメリットもありますが、知らないと損な注意点もあります。特に今回紹介した節税関連の注意点はなかなか知る機会がないことだと思うので、寄付をしている&検討している方は、是非知識として入れておいてください。寄付をすることで単に支援出来るだけでなく、自分自身の目に見えるかたちで返ってくるのは嬉しいですよね。しかし、そういった制度を利用するには事前のリサーチであったり確定申告といった手間がかかるので、本当にその制度が自分にとって必要なのかどうかも考えて検討してみると良いかもしれません。それらの制度を受けないとしても、迷っているとしたらとりあえず一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?