SDGs(Sustainable Development Goals)は、人類が世界で抱える問題を、全世界が一丸となって解消するために作られた目標です。
日本だけでなく国際的に、状況改善を目標にしています。
その11番目としてあげられているのが「住み続けられるまちづくりを」です。
日本ではガスや水道、電気などのライフラインが整っているのが当然だからこそ、住みやすい環境について考えることはあまりないかもしれません。
でもこのような環境は、地球の裏側に行くと、当然なことではないのです。
「まちづくり」というと、国が対応すべきことというイメージがある人もいるかもしれません。
でも実は、個人それぞれがまちづくりに貢献しようと動くことが、結果的に大きな目標達成につながるのです。
この記事では、SDGsの目指すまちづくりが何なのか、私たち個人に何ができるのかについて、詳しくご紹介していきます。
SDGsの目指すまちづくりとは?
「まちづくり」というと、大規模な計画のように聞こえるでしょうか。
発展途上の国にインフラを整備することや、地方の活性化をすることがまちづくりだと思っていると、自分には関係ないことだと考えてしまうかもしれません。
でも、本当はもっと身近な場所にも関係のある目標です。
SDGsの目指すまちづくりが目指しているゴールは「住み続けやすいまちづくり」です。
日本国内の例をあげるとすれば、例えば下記があげられます。
・地震が原因となる混乱
・台風による水害
・満員電車による通勤
・都心部に起こる交通渋滞
・地方での限られたアクセス手段
・住宅不足が理由の家賃アップ
・排気ガスによる大気汚染
日本で生活する人たちが接点を持つ問題は、主に都心への人口集中でしょう。
都心部へ人口が集中することによる問題とは
年々都心部には人が集まることにより、今後インフラが間に合わないなどの問題が起きることが予想されます。
そのような人口が集中している場所で震災が起きたとき、インフラが止まれば一大事です。
満員電車で通勤するという日々も、過ごしやすい環境と感じる人は少ないでしょう。
さらに、人口が都心部に集中することにより、地方にも問題が発生します。
若者が都心に出てしまうため、高齢者の中には単身で生活をする人も増えていきます。
地方では、徒歩15分圏内に目的地近くまでいける電車やバスがないことも珍しくありません。
高齢者はいずれ車を運転できなくなり、スーパーや病院に行くための手段もなくなります。
都心部に人が増えることにより、都心部と地方どちらにも問題が生じるということです。
日本が行っている住みやすい「まちづくり」とは?
日本の中には、すでに住みやすいまちづくりに力を入れている街があります。
例えば、北海道の下川町です。
下川町に住む人の半分以上が65歳の高齢者という街では、高齢者にとって住みやすい街作りに取り組んでいます。
高齢者が集まって楽しく、安心して暮らせるように、長屋風の住居を建設。
森林が豊かなことを強みに、森林資源を活かした産業も作り出しました。
少子高齢化が進む日本の社会で、特に高齢化が深刻になっている地方。
この環境と正面から向き合い、そこに住む人たちがより住みやすい環境を作るために動いている街があるのです。
住みやすいまちづくりの必要性とは?海外の状況
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、海外には住む場所のない人たちや教育を受けられない貧しい人たちが集まる「スラム街」がある国が存在します。
そこに生まれた人たちは、安全な家もじゅうぶんな食料もないまま生活していることがほとんどです。
生まれた環境が貧しいことを理由に、自分たちではどうにも改善できない問題が起きています。
このような状況に生きる人たちも取り残さず、手を差し伸べ、住みやすい環境を用意することもSDGsの取り組みの一つです。
世の中には、開発の遅れている国はたくさんあります。
日本のように、欲しいインフラが生活のすぐそこに存在している国ばかりではありません。
開発が遅れている国でも、その国にある資源をうまく使うことで、持続可能な社会を作り上げていくのが目標です。
つまりSDGsの「まちづくり」とは、現在ある状況をより良くするという意味で幅広いゴールを目指しています。
SDGsのまちづくりが目指す「住みやすい街」とは?
「住みやすい街」には人それぞれ違う価値観を持っているでしょう。
安全であること、医療が充実していること、インフラが整っていること、教育しやすい環境であることなど…あげていけばキリはないはずです。
どんな環境であることが自分にとって「住みやすい街」なのかを改めて考えて、理想の形を明確にしておくことが、今できることの第一歩目となるでしょう。
目標達成のために今できることは何か、じっくり考えてみてください。