このたび、一般財団法人日本寄付財団が行う2021年度助成事業の助成先に一般社団法人ニューワールドアワーズスポーツ救命協会(以下、NWHスポーツ救命協会)が選ばれました。NWHスポーツ救命協会代表の蝶野さんは日本寄付財団のアンバサダーを務められていることもあり、今回蝶野さんと日本寄付財団代表の村主さんとの対談が実現しました。

第2回目は蝶野さんのアンバサダーとしての役割やお互いに寄せる期待について、お二人に語っていただきました。

日本寄付財団のアンバサダー就任について

村主:日本寄付財団が実現したいのは、寄付を通じて社会課題の解決や世界平和を実現していくことに尽きますが、いくら僕たちが皆さんに寄付をしてくださいとお願いしたところで、何かが変わるわけではありません。僕はダイレクトに伝えるよりも、まずは世の中にはこういう社会課題がたくさんありますよ、という事実を知っていただくことこそが、重要だと感じています。綺麗事を言っているように思われるかもしれませんが、たとえ寄付をしていただけなかったとしても、社会課題に対する理解を深めていただいて、そこで皆さんの行動が一つでも変わるきっかけになればいいな、と期待しています。

蝶野:寄付は時間も費用もかかることなので、動きたい意思はあるのに動けないという人たちが、たくさんいると感じています。純粋に応援したいから寄付をする、といったように、ちゃんとした目的を持ってアプローチをしている人がほとんどだと思いますが、残念ながら悪い考えを持つ人も少なからずいますよね。それを見分けていくことは大切かなと思います。

善意で動く人々に対して、みんなが理解して協力していける社会になるのが理想ですし、それが社会の本来あるべき姿なのではないでしょうか。

村主:そんな蝶野さんの思いと僕たちの思いが一致して、今回アンバサダーをオファーさせていただきました。

著名人の方が社会活動をすると、売名だと言われることが多い中で、蝶野さんは社会を変えようと真正面からぶつかっていらっしゃいますよね。蝶野さんご自身はどのような思いで活動に取り組まれているのでしょうか?

蝶野:どのボランティア活動も最低運営費というものがかかってきますよね。それだけで全てを回そうとすると、広告宣伝費をあまり使うことができません。その結果、小さな発信しかできないという問題が出てきます。実際に社会活動をされている方達は、そのような部分に意識が向いていない場合が多く、電波を通じて遠くまで思いを伝えるということができていないように感じています。

それを解決するためには宣伝を打ったり、著名な方を起用するのが一番ですが、ネックになってくるのはやはりお金ですよね。俺は自分でやっているので費用はかかりませんし、ある程度知名度もあるので、いい意味で売名行為として、俺自身が広告塔になってやるぜという思いで活動に参加しています。

お互いに期待していること

村主:社会課題の解決のためには、何百万もの大金を寄付してくださる方が集まればいい、という単純な話ではありません。たとえ100円や1,000円でもいいので、少しでも人のため社会のために何かをしたい、という思いを持つ人が出てくることが重要です。そのような思いで動ける人が一人でも多く増えていくことこそが、社会をより良くするための近道であると考えています。

その意味でも、蝶野さんのような方が社会に向けてPRしてくださることはとても重要なんですよね。当然プロレスファンの方は蝶野さんのことを尊敬してると思いますし、そうではない一般の多くの方も蝶野さんのことは知っています。つまり蝶野さんの発言には、とても説得力があるんです。日本寄付財団のアンバサダーとして、そのような面でお手伝い頂けると嬉しいなと思っています。

蝶野:村主さんは今後日本を代表する方になっていかれると思うのですが、その若さで社会課題の活動にいち早く乗り出しているということに、とても驚かされました。

自分たちも社団法人の運営をしているので、その大変さはよく分かっていますが、他の団体などでは、運営のやり方がそもそも分からない、といった声をたくさん聞きます。一方で、お金が集まったのはいいけれど、そのお金をどう活かしていけばいいか分からない、という状態に陥る団体もあります。つまりお金の流れはどちらに転んでも扱いが難しいものなんです。

ですので、日本寄付財団のような団体が、しっかりと管理したり見守ってくれたりするような存在になってくれればなと思っています。

村主:国や市町村などの公的な支援はもちろん機能していますが、支援を受けるためのハードルが高かったり、申請してから支援の決定がなされるまでにとても時間がかかったり、なかなかフットワークを軽くするのが難しい面がありますよね。その文脈で言うと、僕らの支援は臨機応変に対応していきたいなという気持ちを常に持っています。

蝶野:民間の機関がそのようなことをやっていくことに意義があると思います。その中で村主さんのステータスというのは大きいのではないでしょうか。アンバサダーとして、今後の日本寄付財団の活動の一翼を担っていきたいですね。

蝶野さんがアンバサダーに就任されたことにより、日本寄付財団の活動や思いがより一層多くの方に届いていくのではないでしょうか。今後の蝶野さんのご活躍を楽しみにしています!