出典:temahima.jp

徳島県鳴門市は、平安時代から続く歴史あるブランドわかめの産地です。

そんな鳴門で、わかめ一筋に情熱を注ぎ、さまざまなわかめ製品を作ってきた有限会社うずしお食品。

実は、SDGsにも積極的に取り組んでいます。

SDGsとは

最近、ネットニュースやテレビなどで目にする機会の増えたSDGsですが、「そもそもSDGsとは?」と聞かれて答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。

SDGsとは、「Sustainable  Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

2015年9月に行なわれたサミットで、国連に加盟している193カ国が2030年までに達成するべき目標を採択したものです。

貧困やエネルギー問題、気候変動などの17の目標を達成するための169の具体的なターゲットが示されています。

うずしお食品とは

出典:uzushioshokuhin.co.jp

有限会社うずしお食品は、徳島県鳴門市に本社を置く、食品加工会社です。

1000年にも及ぶ長い歴史を持つ「鳴門わかめ」の伝統を守り、お客様に安心できる商品をお届けすることを目的に、トレーサビリティーを徹底しています。

トレーサビリティーとは、漁師さんが「いつどこで収穫したわかめなのか」というところから、自社での加工、保管、流通に至るまで、全ての作業工程が詳細に記録できる加工履歴管理システムのことです。

うずしお食品は、数年前から鳴門わかめの冷凍加工に取り組み、独自の冷凍加工技術を生み出しさまざまな新商品の開発を行っています。

うずしお食品のSDGs

そんなうずしお食品ですが、実はSDGsにも積極的に取り組んでいます。

うずしお食品が取り組むSDGsの取り組みについて紹介します。

廃棄されるわかめを救いたい

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昨今の地球温暖化の影響により、海水の栄養不足が起こり、世界中の海には大きな変化が起きています。

鳴門わかめも例外なく影響を受け、うずしお食品が手がけているわかめも、昔と同じように安定して作ることが難しくなっています。

海水の変化だけでなく、生産者の高齢化などにより、年々わかめの生産量が減少している現実もあります。

海水の変化の影響を受け、収穫されるわかめの規格外品が増えており、それと同時に廃棄されるわかめも増えています。

「美味しく食べられるのに、商品にならないわかめの現状を変え、フードロスを無くしたい」という思いから始まったのが、新商品「鳴門わかめのからだにやさしい塩」の開発プロジェクトです。

わかめを商品化する際に出る、未活用部や規格外品などの廃棄されていた部分をパウダー状に加工して作られた商品が、「鳴門わかめのからだにやさしい塩」です。

「鳴門わかめのからだにやさしい塩」は、通常の塩と比べて食塩相当量が約半分に抑えられているため、健康に気を使いたい世代に、いつもの塩の代わりとして使っていただけます。

さらに、パウダー状のわかめを使用しているので、ミネラルや栄養が通常の塩より豊富に含まれています。

鳴門わかめの後継者不足

うずしお食品のSDGsは、フードロス対策だけではありません。

鳴門わかめの生産者は、高齢化の影響を受け、後継者不足という問題に直面しています。

鳴門にとってわかめは、平安時代から続く伝統的かつ重要な産業です。鳴門のわかめの美味しさを、多くの人に知ってもらうことで、わかめ産業の活性化を目指し、後継者不足解消のきっかけになると考えているのです。

地域とのコラボレーション商品の開発

うずしお食品は、「鳴門わかめのからだにやさしい塩」以外にも、近隣地域の産業とコラボレーションしたさまざまな商品を開発し、地域活性化につなげています。

わかめの粉末を練り込んだわかめパンや、わかめを食べて育った豚を使用し、さらにわかめの粉末を練り込んだソーセージなどがあります。

このように、近隣の事業者とコラボレーションすることで、鳴門地域全体の活性化につながる活動を行っています。

日本のわかめ業界全体への取り組み

出典:kurashi-to-oshare.jp

うずしお食品は、鳴門地域だけでなく、日本のわかめ業界全体を盛り上げるための活動を、積極的に行なっています。

例えば2011年3月11日に発生した、東日本大震災。日本有数のわかめの産地である、三陸地域は大きな被害を受けました。

三陸のわかめを守るために、うずしお食品はわかめの養殖には欠かせない種苗の提供をはじめとする、さまざまな協力を行なってきました。

これ以降、鳴門と三陸のわかめ事業者の協力関係は強まりました。国内産わかめを「MADE  IN JAPAN」として世界に向けて普及させ、盛り上げていきたいと考えているのです。

まとめ

今回は、うずしお食品のSDGsの取り組みについてご紹介しました。

昔から日本人に馴染み深いわかめですが、地球温暖化の影響でその生育環境が大きく変化していることがお分かりいただけたでしょうか。生産者の後継者問題など、多くの問題を抱えた鳴門わかめですが、その中でうずしお食品は課題解決に積極的に取り組んでいます。

「鳴門わかめのからだにやさしい塩」は、普段使っている塩の代替品として使用できます。ほんのりわかめの香りがして、食塩相当量は、通常の塩の約半分という優れもの。

SDGsな食品であることに加えて、からだにも優しいなら、ぜひ一度試してみたくなりますよね。

普段何気なく口にしているわかめですが、ぜひこの機会に、買い物の際に少しだけ意識して、鳴門産のわかめや加工食品を手に取ってみてはいかがでしょうか。