近年耳にすることの多くなった「トー横キッズ」というワード。

言葉は知っていても、それが何を指す言葉なのかは知らない人も多いのではないでしょうか。

最近ではニュースになったりと、なにかと話題性のあるトー横キッズについて、この記事で解説します。

なお、この記事は今後連載される「居場所のない若者」シリーズの最初の記事となります。

この記事を通して、現代の若者の居場所について考えてみてください。

トー横キッズは「新宿東宝ビル」横の若者集団

出典:lagent.jp

トー横キッズとは、東京都新宿区歌舞伎町の映画館を中心としたビル「新宿東宝ビル(TOHOシネマズ新宿)」周辺の路地裏でたむろをする若者の集団のことを指します。

「東宝ビルの横」を「トー横」と略していることになりますね。

似たようなものでは

  • グリ下キッズ(大阪市中央区道頓堀)
  • ドン横キッズ(名古屋市中区錦)
  • 警固界隈キッズ(福岡市中央区天神)

などの界隈が国内に存在します。

SNSのオフライン交流がはじまりか

現在では耳馴染みのある「トー横キッズ」ですが、その存在自体は2010年代からあったようです。

TwitterやInstagramなどのSNSでは「自撮り界隈」という概念があります。

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自撮り界隈とはその名の通り自身の自撮り写真を投稿する人たちを指す言葉であり、ある種コミュニティのような存在になっています。

ネット上で自撮りを通して知り合った若者たちは、オフラインで交流する時の待ち合わせ場所として「トー横」を選んでいたようです。

そのうちトー横が歌舞伎町の店が開くまでの0次会の場所になり、歌舞伎町の住人であるスカウトや営業時間外の売れないホストも合流し、トー横が混沌とした路上飲みの場となりました。

現代の若者がトー横に集まる訳

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現代のトー横キッズの多くの正体は「居場所のない若者」です。

家庭環境が劣悪で家出をした子どもであったり、不登校になった子どもなどが多くトー横に集まっています。

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そのような境遇の子どもがSNSなどを通して集まることで、トー横界隈はある種仲間のようなコミュニティと化しています。

自分が恵まれていなくても、似たような仲間がいると思うことで救われる感覚は、記事を読んでいる方にも理解できるかと思います。

トー横は現代の「居場所のない若者」にとって、重要な居場所としての役割を果たしていると言えます。

性暴力や自殺等の温床にも

出典:photo-ac.com

ここまでの話だけを見ていくと、「トー横キッズ」はなんだか賑やかで楽しいコミュニティのように思えてくるかもしれません。

ですがその実情は決して明るいものではなく、近年トー横キッズが話題になっているのは性暴力や売春、自殺と言った事件が原因です。

過去には以下のような事件がトー横界隈で起きています

  • 未成年淫行
  • 未成年飲酒
  • 売春
  • 集団リンチ
  • 殺人事件
  • 飛び降り自殺
  • オーバードーズ(薬の過剰摂取)

「居場所」として重要な役割を果たしていたはずのトー横は、犯罪の温床となってしまっているのも事実です。

現代の若者の「居場所」は守られるべきか、否か

昔はSNSのオフ会用に使われていたトー横は、現代では居場所や自由を求める若者の「ナワバリ」と化していることがわかりました。

その結果トー横界隈が事件の温床となり、今後も多くの若者が事件の被害者となることが予想されます。

最近では警察によるトー横界隈の取り締まりも進んでおり、トー横界隈を「保護」しようとする動きも見られています。

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ですが学校や施設からの離脱を試みたトー横キッズからしてみると、その「保護」は「居場所」を若者から取り上げることに繋がるのではないでしょうか。

凶悪な事件を未然に防ぐ動きは不可欠なことでしょう。

その中で、いかにして居場所のない若者を守るのかが重要な気がします。

今後も「居場所のない若者」については記事を連載していきます。

現代の若者の「居場所」について、これを機に考えてみるのも良いかもしれません。