世界的に大人気のゲーム「フォートナイト」
その「フォートナイト」で、2022年3月20日から4月3日まで寄付活動が行われたのをご存じですか。開発企業のエピック・ゲームズは、収益を人道支援としてウクライナに全額の約180億円を寄付しました。この記事では寄付の具体的内容やエピック・ゲームズとはどのような企業なのかをご紹介します。
ゲーム『フォートナイト』とは?
「フォートナイト」は2017年にエピック・ゲームズによって配信されたオンラインシューティングゲームです。世界中に多くのファンを持つ「フォートナイト」とはどのようなゲームでしょうか。
バーチャルなコミュニティとして成長!ユーザー数は3億500万人以上
「フォートナイト」は、パソコンや家庭用ゲーム機に加えてスマホやタブレットなど異なるプラットフォーム間で対戦することが可能なゲームです。「Nintendo Switch」でリリースされると子どもたちの間でまたたく間に大人気となり、さらに親世代にまで人気が広がりました。内容はバトルロイヤルなシューティングゲームですが、100人のプレイヤーでバトルが行えます。ボイスチャット機能を使用すれば、友達と会話しながらのプレイも可能。自宅にいながら仮想空間上で友達と遊ぶことができるため、子どもたちの新たなコミュニティの役割を果たし、ユーザーは世界中で3億5000万人に及ぶと言われています。
エピック・ゲームズ(Epic Games)とは?
出典:epicgames.com
「フォートナイト」を開発したエピック・ゲームズはアメリカノースカロライナ州を拠点とするゲーム・ソフトウェア開発の企業です。ゲームは主にアクションゲームを開発しており、世界各地に40以上のオフィスを構えています。3D技術のプロバイダーとしては、リアルな没入感満載なリアルタイム3D制作ツール「Unreal Engine 」を開発しています。また「Epic Games Store」という、ゲームやその他のコンテンツを構築したり配信したりできるデジタルなエコシステムを提供していることでも知られています。
どのような取り組みで寄付をしたのか
「フォートナイト」をゲームして寄付をするとはどういうことでしょうか。寄付の内容を詳しくお伝えしましょう。
期間中に購入した代金を人道支援団体に寄付
「フォートナイト」はもともとは無料で遊べるオンラインゲームですが、ゲーム内での通貨を利用して、自分のキャラクターの外見を変更できるコスメティックアイテムを買うことが可能です。ゲーム内の通貨は実際の通貨で購入します。そのシステムを利用して寄付の期間中に、実際の通貨で購入されたそれらのアイテムやコンテンツの収益金を寄付したのです。寄付を表明しゲームが開始されてから、わずか一日で約43億円もの収益がありました。世界中の多くの人がウクライナのために何かをしたいと、ゲーム上で想いをひとつにしたことが伺えます。
寄付された支援団体紹介
ゲームでの収益金は以下の人道支援団体へと寄付されました。それぞれウクライナへどのような支援を行っているかご紹介します。
- Direct Relief
「Direct Relief」は、ウクライナの保健省の国際的なパートナーとして認められた機関です。紛争が勃発して以来、800トン以上の医療援助と1470万ドルの財政援助をウクライナに行っています。
- 国連児童基金(UNICEF)
子どもたちのための国際機関ユニセフは、ウクライナ国内にいるユニセフパートナーと共に医療品や学習用品の提供、さらに難民となった子どもたちの受け入れ先を探すなどの支援を継続的に行っています。
- 国際連合世界食糧計画(UNWFP)
ウクライナからの公的支援要請を受け、WPFはウクライナの紛争から逃れた人々への食料支援活動を行っています。
- 国連UNHCR協会 ・国連難民高等弁務官事務所
国連UNHCR協会 ・国連難民高等弁務官事務所は、難民に対する人道支援を行っている機関です。緊急避難所へ毛布やマットなどの必要な救援物資を提供しているほか、親と離れた子供や障がいのある人へ専門的な支援を行っています。
- World Central Kitchen(ワールドセントラルキッチン)
ワールドセントラルキッチンは人道的危機や災害などにあった人たちにシェフの調理した栄養ある食事を提供する団体です。これまでに1億食を提供し、救命活動を行ってきました。
マイクロソフトも賛同!
出典:microsoft.com
この寄付活動にはマイクロソフトも賛同して協力を表明しました。Xboxプラットフォームでの同期間の購入の必要経費をのぞいた純利益は、そっくり寄付に回されました。
まとめ:人々の善意をつなげたゲームの力
ゲーム上で多くの寄付が行われたことは、たくさんの人々にも驚きを与えました。ゲーム自体に賛否はあるものの「楽しみながら誰かの力になれる」というゲームの持つパワーに多くの称賛の声が上がったそうです。また本当の戦争について子供や若者が考えるきっかけにもなりました。
今回エピック・ゲームズが、ゲーム上で寄付活動を行ったことは、さまざまな面で実に画期的なものだったと言えるでしょう。