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SDGsは「持続可能な開発目標」と訳され、地球環境や社会問題等の改善に向け達成されるべき目標のことを指します。企業にとって、SDGsへの取り組みはブランディングやステークホルダーとの関係性向上等、多くのメリットに繋がります。

世界的アパレルブランドであるH&Mも、SDGsへの取り組みが盛んな企業の1つです。本記事では、H&MのSDGsへの考え方と6つの取り組みを紹介します。

H&MのSDGsへのキーワードは「循環型ファッション」

H&MはSDGsに向けて、資源を最大限に活用し廃棄物を最小限に抑える「循環型ファッション」を目指しています。H&Mは、サステナブルなファッションの実現には企業だけでなく、顧客との協同が不可欠であると考えています。そのためH&Mが行うSDGsに向けた取り組みには、顧客にSDGsを意識させるものが数多くあります。

H&MのSDGsへの6つの取り組み

H&Mは、SDGsに向けて以下6つの取り組みを行なっています。

  • Conscious(コンシャス)ポイントの導入
  • 古着回収サービス
  • グリーンタグ
  • 革新的な素材の使用
  • 包装・パッケージの改良
  • H&M サステナすごろく

Conscious(コンシャス)ポイントの導入

H&Mは、SDGsへの取り組みとしてConscious(コンシャス)ポイントを導入しました。

Consciousポイントはマイバッグの持参や後述する古着回収サービスへの参加など、SDGsに向けた行動を顧客がとることで付与され、100ポイント獲得ごとに300円OFFクーポンが付与されるなど、様々な特典を得ることができます。Consciousポイントの獲得には、H&Mのメンバーシップに加入していることが条件となります。

古着回収サービス

出典:about.hm.com

H&Mは、2013年から国内の全店舗にて古着回収サービスを展開しています。不要になった衣類を回収し、回収した衣類1袋につき500円OFFのデジタルクーポン1つと引き換えています。先述したConsciousポイントも、回収した衣類1袋につき20ポイント付与されます。

回収する衣類はブランドや状態を一切考慮せず、回収された後に300以上の基準に従ってリウェア、 リユース、 リサイクル、 エネルギーの何れかに仕分けられます。

グリーンタグ

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H&Mでは、リサイクルまたはサステナブルに調達された素材を50%以上使用している商品に「グリーンタグ」をつけて販売しています。グリーンタグには素材の名称と内訳が記載されており、購入金額100円につき1ポイントのConsciousポイントが付与されます。

グリーンタグの対象商品は、 公式オンラインストアでは「Conscious」と記載されています。

革新的な素材の使用

出典:about.hm.com

H&Mでは、SDGsに向けて革新的な素材を積極的に使用しています。

これまでにも、以下のような革新的な素材が使用されてきました。

  • ブドウの皮や茎を原料としたヴィーガンレザー
  • ジュースを作った後に残る柑橘類の皮から作られたオレンジファイバー
  • 回収された漁業用の網や残布などからできたリサイクルナイロン
  • 空気と温室効果ガスから作られたAIRCARBON
  • 不要となった鉱物資源を再利用したリサイクル亜鉛

H&Mは本来ゴミとして廃棄されていたものを資源として活用することで、循環型ファッションの実現を目指しています。

包装・パッケージの改良

出典:about.hm.com

H&MはSDGsへの取り組みとして、2025年までに包装・パッケージについて以下の目標を掲げています。

  • 自社のすべての包装・パッケージをリユース、 リサイクル、 堆肥化可能なものへ切り替える
  • 自社内で発生する包装・パッケージ廃棄物を100%リユース、リサイクルする

これらの目標に先立ち、H&Mは2018年にショッピングバッグの紙製化 および有料化を開始しました。2020年度には使用量が59%削減され、2021年からはオンラインストアの包装をプラスチック製のものから紙製のものへと切り替えています。

H&Mサステナすごろく

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H&Mでは、 公式オンラインストアでの配送時に使われるボックスや、店頭で販売しているショッピングバッグの内側に「H&Mサステナすごろく」を印刷しています。H&Mサステナすごろくを通して、顧客はファッションとサステナビリティの関係や、 日常で取り入れられるアクションなどについて学ぶことができます。

資源を最大限に活用し、顧客にSDGsを意識させるための施策と言えます。

SDGs達成へ「顧客と共に歩む」H&M

H&MのSDGsに向けた取り組みを紹介しました。

革新的な素材の使用やパッケージの改良等企業としての努力も顕著ですが、H&Mが「顧客に呼びかける」活動を推し進めている点は特に印象的です。古着の回収やグリーンタグ、H&Mサステナすごろくと言った取り組みは、顧客にSDGsへの意識を芽生えさせるのに効果的です。

世界的アパレルブランドとして、社会全体にSDGsの意識を浸透させる役割を担ったH&Mには、今後も注目すべきでしょう。