出典:photo-ac.com
近年、世界的な食料危機について不安の声が多く上がっています。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で一部の食品は価格が高騰し、食糧危機のリスクは昨今ではより注目されるようになりました。
食糧危機回避へのキーワードは「食品ロス」と「昆虫食」です。食品ロスを減らし現代ではマイナーな昆虫食を普及させることで、食資源の有効活用と新たな食資源の獲得に繋がります。
この記事では、食品ロスと昆虫食に関する解説と「株式会社昆虫食 entomo」のSDGsに向けた取り組みについて紹介をします。
年間522万tの「食品ロス」が食糧危機の大きな要因に
「食品ロス」とは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことを指します。食糧を無駄遣いしてしまうことは当然、食糧危機の大きな要因となります。
農林水産省の発表によると、国内における食品ロスの量は令和2年度推計値で年間522万tになっています。数値だとややわかりづらいですが、日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てている計算になります。
企業による食品ロスが大半
食品ロスは、大きく以下の2種類に分類されます。
- 事業系食品ロス
- 家庭系食品ロス
字面の通り、事業活動を通じて発生する食品ロスと各家庭から発生する食品ロスのことをそれぞれ指します。以下の画像の通り、令和2年度の国内における食品ロスは累計522万tのうち275万tが事業系食品ロス、247万tが家庭系食品ロスとなっています。
出典:農林水産省maff.go.jp
企業による食品ロスが大半を占めていることがわかります。企業は在庫として食資源を抱えることになるため、それらが売れなければ余った在庫は食品ロスとなります。
各家庭が食品ロスを抑えることも重要ですが、事業系食品ロスを削減するための企業努力も食糧危機回避には欠かせません。
食品ロス削減にも繋がる食糧危機回避への新たな一歩「昆虫食」
食糧危機を回避するには食品ロスを削減する必要があることが分かりましたが、新たな打開策として注目されているのが「昆虫食」です。
出典:entomo.jp
食糧として一般的ではない昆虫を食糧として普及させることで、新たな食資源の獲得に繋がります。さらに昆虫は食糧廃棄物を飼料に育つため、昆虫食は食品ロスにも貢献します。必要な飼料は牛の約1/4で水もほぼ不要、かつ高タンパクな昆虫食は、食糧としてのコストパフォーマンスが非常に高いです。
昆虫食の普及は食糧危機回避への近道と言えるでしょう。以下では、昆虫食を取り扱う「株式会社昆虫食 entomo」の5つのSDGs達成に向けた取り組みについて紹介します。
株式会社昆虫食 entomoのSDGsに向けた5つの取り組み
「株式会社昆虫食 entomo」は、昆虫食の販売事業や教育事業を行う株式会社です。
出典:entomo.jp
株式会社昆虫食 entomoは「㈱昆虫食のentomoのSDGs宣言」と題し、SDGs達成に向けた取り組みを宣言しています。SDGsは「持続可能な開発目標」と訳され、地球環境や社会問題等の改善に向け達成されるべき目標のことを指します。
出典:entomo.jp
具体的な株式会社昆虫食 entomoの取り組みは以下の5つです。
- 養殖された昆虫の使用
- フェアトレード
- 省資源・省エネルギー化
- パートナーシップ
- 啓蒙活動
養殖された昆虫の使用
株式会社昆虫食 entomoは、先進国の工場で養殖された昆虫を使用した製品の製造販売をしています前述したように、昆虫食は食品ロスの削減や新たな食資源の獲得に繋がります。未だマイナーな昆虫食ですが、株式会社昆虫食 entomoは昆虫食普及の先駆けとして昆虫食の製造販売を行っています。
フェアトレード
株式会社昆虫食 entomoはいわゆる発展途上国や最貧国から、半養殖または自然採集の昆虫食を、現地価格の数倍の値段で直接仕入れています。現地経営者から直接仕入れるフェアトレードは、現地の産業発展と経済成長、雇用創出に繋がります。
省資源・省エネルギー化
株式会社昆虫食 entomoは、省資源・省エネルギー化のために以下の取り組みを行っています。
- 省資源パッケージを採用
- LEDやIoT、自動化を積極的に導入
- ペーパーレス化の促進
これらの取り組みによって株式会社昆虫食 entomoは、食品ロスだけでなく省資源・省エネルギーにも貢献しています。
パートナーシップ
株式会社昆虫食 entomoは、SDGs達成に向けて様々な業界の企業やNGO、NPO、行政機関などのステークホルダーと交流し協力しています。大学と共同で昆虫食を研究し、海外の主要な昆虫食・昆虫飼料団体と連携しながら昆虫食の普及を目指しています。
啓蒙活動
株式会社昆虫食 entomoは昆虫食の講演やワークショップを通じて、SDGsや生物多様性、循環型社会の啓蒙活動を行っています。
【食糧危機回避へ】「食品ロス」の重要性と「昆虫食」の可能性
迫り来る食糧危機を回避するためには、食品ロスを削減することが重要であることが分かりました。昆虫食は食品ロスに貢献しながら新たな食資源の獲得にも繋がる、今後大きな可能性を持った分野だと言えます。
株式会社昆虫食 entomoは昆虫食を扱う数少ない企業でありながら、昆虫食の普及やSDGs達成に向けて多くの取り組みを実施しています。
今後、食糧危機問題の救世主となり得る株式会社昆虫食 entomoの動向には目が離せません。