「食を通じて社会に貢献する」という精神で事業展開するキューピー。
近年、社会全体で取り組みが求められているSDGs、サステナビリティな働き方、企業成長に関しても精力的に取り組んでいます。
この記事では、キューピーが実践しているサステナビリティ活動
・食と健康への貢献
・地球環境への貢献
・持続可能な調達
・人権の尊重
この4点についてご紹介します。
企業の取り組みを知ることで、SDGs・サステナビリティへの理解を深めていきましょう。
キューピーによる主なサステナビリティ活動の紹介
キューピーは、高等学校でのSGDsの講演会の実施、子どもへの食育、健康支援をはじめ多くのサステナビリティ活動に取り組んでいます。
食と健康への貢献
「マヨネーズ」を主力商品とするキューピー。
食に関わる企業として健康で豊かな暮らしの実現を目指しています。
具体的な取り組みとして、
・健康に配慮した商品開発
・子どもの心と体の健康応援
これらを地域に根付いて行っています。
具体的な内容としては、健康寿命延伸への取り組みとして咀嚼回数について共同研究をしたり、野菜の栄養や理想的な摂取量、調理法などを紹介する講演会をしたりもしています。
その他にも、野菜を食べるという食文化普及に向け、特定保健用食品、機能性表示食品、低カロリー・減塩対応食品などの開発を行っています。
地球環境への貢献
豊かな自然の恵みとして得られる原材料を次世代にも引き継いでいくため、環境への影響も配慮しています。
具体的な取り組みとして
・食品ロスの削減・有効活用
・プラスチックの削減・再利用
・水資源の持続的利用
・CO2排出量の削減
が上げられます。
これまでは加工から輸送までが食品メーカーの役割でしたが、これからはグループ内の連携、ステークホルダーとの協働により、食料生産から原料調達、お客様消費まで関わる役目があるとしています。
そうすることで、生産時の選別・規格外によるロス、加工残渣、売れ残り・食べ残しといったロスの削減の実現を目指しています。
他にも、マヨネーズの容器を工夫することで、賞味期限を12ヶ月延長することができました。
さらに、野菜の外葉や芯など、捨ててしまいがちな部位を工夫して美味しく食べる方法を紹介する取り組みもしています。
プラスチック削減に関しては、循環経済を目指し、回収・再生を積極的に取り入れることで、再生プラスチックやバイオマスプラスチックを導入しています。
CO2削減に関しては、製造工程の効率改善、省エネ設備の導入、脱炭素社会に向けた製法・工程の変革、再生可能エネルギーの導入を検討しています。
物流では、長距離トラックでの輸送から鉄道、船舶輸送へのシフト、異業種メーカーとの協働輸送などを推進しています。
持続可能な調達
「良い商品は、良い原料からしか生まれない」という原料に対する強いこだわりを持ちながら、環境や人権に与える影響にも配慮する必要があるという考えのもと、自社でガイドラインを設けています。
また基本方針として、
・公正で誠実な取引、機密情報や知的財産の管理。
・人権を擁護し、人権侵害に加担しない。
・従業員の権利を尊重し、安全で衛生的な職場環境を確保する。
・地球環境の汚染、破壊を防止するため、資源の持続可能な利用に努める。
など、9つの基本方針を名言しています。
またキューピーグループで使用する鶏卵は、国産獣疫事務局が示したアニマルウェルフェアの基本原則「5つの自由」に沿った飼養が重要であると考えています。
アニマルウェルフェアとは、「動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」と定義されており、家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながると考えられています。
農林水産省参照:https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html
そして、アニマルウェルフェアの5つの自由とは
・飢え、渇き及び栄養不良からの自由
・恐怖及び苦悩からの自由
・物理的、熱の不快さからの自由
・苦痛、傷害及び疾病からの自由
・正常な行動様式を発現する自由
があり、キューピーは鶏卵をビジネスの源として利用するからこそ、採卵鶏の命の尊厳についても配慮すべきと考えています。
人権の尊重
持続的成長を実現する体質への転換に向け、学びの場の拡大、キャリア意識の醸成を通して、多様な人材が活躍できることを目指しています。
また従業員が健康でやりがいを持って働けるようにも取り組んでいます。
具体的な取り組みとして、
・さまざまなハラスメントに対する従業員の啓蒙活動
・ダイバーシティ・セミナー、アンケートの実施
他にも、業務や組織の枠を超えた多様なメンバーが意見交換できる「シャッフルミーティング」も実施しています。
経営層も交えてオンラインで集うことで、異なる視点の意見を伝え合い、認め合うことで、自らの成長と従業員同士のネットワーク構築を目指しています。
また、従業員それぞれの「ありたい姿」や「成長の道筋」を明確にするために、さまざまな経験を積むことも推進しています。
成長マイルストーン制度、キャリア研修、自ら異動希望を申告できる「キャリア自己申告制度」などもあります。
さらに2021年度の女性の管理職比率9%を、2030年に30%まで上げることを目標に入れており、障がい者雇用に関しても、全国22ヶ所の工場では障がい者雇用率が5.81%となっています。
最後に
今、社会全体としてSDGs、サステナビリティの取り組みが求められています。
フードロス、環境破壊、人権問題など、社会の課題はたくさんありますが、その課題に対して取り組んでいる企業の具体的な活動を知ると、自分なら何ができるか置き換えて考える機会にもなりますね。
これからも、企業のSDGsへの取り組みは目を離せません。