寄付は企業も積極的にする時代になった

 日本における寄付の文化は、海外と比べて遅れていると言われてきました。しかし、2011年におきた東日本大震災をきっかけに日本の寄付金額は増加傾向にあります。ふるさと納税の浸透や、新型コロナウイルスの蔓延といった要素も関係ありますが、近年の寄付金額や寄付人口の増加には目を見張るものがあります。そんな中で寄付は個人だけでなく、企業も積極的に取り組むものとなりました。本記事ではそういった「寄付に積極的に取り組んでいる企業」や「取り組みの紹介」また「企業ならではの寄付方法」などについて紹介していきます。

身近な企業が寄付に取り組んでいる

 寄付に取り組んでいる企業は数多く存在していて、その中には私たちが良く知る企業や、無意識に選んでいた企業があります。企業の中では売上げの一部を全て寄付しているところもあり、どんな企業がそういった活動をしているのか知っておくと良いでしょう。今まで無意識に選んでいた商品が、意識的に選ばれるきっかけになるかもしれません。

寄付に取り組んでいる企業やその活動について紹介

 ・株式会社ラッシュジャパン

 ナチュラルコスメとしておなじみのLUSHを展開している企業。一部商品の売上を全て寄付する活動をしている。

 LUSH公式HP

https://www.lush.com/jp/ja

 ・LINE株式会社

 コミュニケーションツールとしておなじみのLINEを運営している企業。LINEスタンプや、LINE Payの売上げの一部を寄付する活動をしている。

 LINE株式会社公式HP

https://linecorp.com/ja/

 ・イオン株式会社

 1982年から赤羽募金などの寄付活動を行っている。店頭での募金活動や募金箱設置といった身近な方法で、全国規模での寄付活動を継続している。

 イオン株式会社公式HP

https://www.aeon.info/

 ・オルビス株式会社

 コスメブランドとして人気なオルビスを運営する企業。こども食堂といった施設にサプリメントやジュースを提供している。

 オルビス株式会社公式HP

https://corp.orbis.co.jp/

 ここで紹介した企業以外にも、多くの企業が独自の寄付を行っています。私たちも知らないうちに、寄付に貢献していたかもしれません。しかし寄付をするのであれば自分が「寄付に貢献している」という自覚がある方が良いかと思います。もし興味がある方は、どんな企業が寄付に取り組んでいるのか調べてみると良いでしょう。

企業の寄付にはどんなものがあるの?

 企業の寄付にはどういったものがあるのでしょうか?企業の寄付は個人の寄付とは違った取り組みをしている場合が多いです。企業ならではの方法もありますので、いくつか紹介していきます。

売上の一部を寄付する方法

 企業の売上の一部を寄付するというやり方は、多くの企業で行われています。「年間の売上げの数パーセントを寄付にあてる方法」や「何周年記念というイベントの際に寄付をする方法」や「特定の商品の売上げは全て寄付にあてる方法」などがあります。売上げの一部が寄付されるので、消費者も寄付に貢献しやすい方法です。寄付に興味がある方は是非こういった活動をしている企業の商品を選ぶようにしてみてください。私たちの何気ない消費活動が、誰かを支える寄付の手助けになります。

企業の従業員が寄付する方法

 企業によっては、従業員が積極的に寄付できるシステムを設けている場合があります。例えば給料の一部を天引きで寄付する方法などです。寄付に興味はあるけれど、その際の手間が面倒でなかなか寄付出来ないという方もいるでしょう。しかしこういったシステムを利用すれば、信頼のおける寄付先に簡単に寄付をすることができます。

マッチング・ギフト

 マッチング・ギフトとは、企業が個人から寄付を募った際にその金額に上乗せして寄付をする方法です。具体的には、個人が1万円の寄付をしたら、企業は1万円上乗せして合計2万円を寄付する、というようなものです。上乗せの金額は寄付金と同じである場合が多く、単純に考えると寄付金が2倍になります。欧米の企業ではわりとスタンダードな方法であり、日本で取り組まれることも多くなってきています。マッチング・ギフトの良い点は『寄付金が多くなるため、より大きな社会貢献につながる』点や、活動がメディアに取り上げられることで『企業の知名度アップ』に繋がる点です。これらのことから、マッチング・ギフトは寄付する側&寄付される側にとって素晴らしいシステムであるといえます。

企業のポイントシステムの中で寄付する方法

 ポイントシステムを導入している企業は多いですよね。知らず知らずのうちにポイントがたまっていることもあるでしょう。そういったポイントシステムの中に寄付を取り入れる事例が増えています。具体的には、自分が保有しているポイントを寄付することが出来るという方法です。ポイントの操作だけで手軽にできる点や、ポイントが寄付しやすいといった点から、導入の要望が多い方法となっています。よく使うサイトやアプリ内にポイントシステムが導入されている場合には、ポイントが寄付できるか確認してみましょう。

クリック募金

 クリック募金とはその名の通り、クリックで寄付ができる方法です。サイトの一部やURLをクリックした際に、クリックされた回数だけそのサイトの運営元や関わっている企業が寄付をします。何気ない行動が寄付につながるので、誰もが寄付に貢献しやすい寄付の方法であるといえます。しかし大抵の場合は寄付されるクリック数に上限が設けられているので、まとまった金額でしっかりと寄付したいという方は個別で寄付をすることをおすすめします。

株主優待制度に寄付を取り入れる方法

 優待券などで、株主優待制度について知っている方も多いと思います。株主優待制度とは、株を保有する株主に対して配当以外に商品やサービスを還元する制度のことですが、この中に寄付を盛り込むという方法があります。例えば、持っている株数に応じて寄付金額を設定してみたり、優待の中に募金できるアイテムを入れるといった方法です。これらの取り組みはダイレクトに企業の社会貢献への姿勢が見て取れるため、株主から賛同を得られることも多いそうです。

まとめ

 日本における寄付の文化は東日本大震災や、ふるさと納税、新型コロナウイルスをきっかけに著しく発展してきました。その増加はすさまじく、多くの人が寄付という文化に興味をもち、困っている人を助けたいという意思を持っていることが分かります。そんな中で寄付は個人が取り組むだけではなく、企業も積極的に取り組む活動になりました。企業の寄付は規模が大きく、独自の工夫がなされている場合が多いです。例えばポイントシステムを使った寄付、マッチング・ギフト、クリック募金などがあります。これらの取り組みにより日本ではより寄付が盛んになっていくと予想されます。個人での寄付が難しいという方も、寄付に取り組んでいる企業の商品を買うことによって寄付に貢献することが出来ます。無意識に寄付に貢献していたという方もいると思うので、興味がある方は一度どんな企業が寄付に取り組んでいるのか、調べてみてはいかがでしょうか。