日本で生活していて、汚い水を飲まなくてはいけないような状況を味わったことがある人は少ないでしょう。
水道水をひねって泥水が出てくれば異常だと判断し、水道会社に連絡をして修理してもらうはずです。
土地が干上がり満足な水が飲めないという経験がない人がほとんどではないでしょうか。
日本ではあまり「飲み水に困る」という局面はないです。
しかし地球上には、水不足が原因で苦しんでいる人たちがたくさんいます。
好きなだけシャワーの水を流し、自由に食器を洗い、自動販売機で綺麗なミネラルウォーターを買える日本に住んでいると、「水不足」と言われてもピンとこないかもしれませんね。
この記事では、今世界が直面している水不足の実態と、我々が水不足改善のためにできることを考えていきます。
世界が直面する水不足の実態とは?
2022年現在、世界の半数以上が水道水を使えるようになりました。
22年前の2000年には、たった61%もの人が衛生的な飲水を飲める環境だったことと比較すると、この進歩は大きなものです。
しかしそれでも、安全な飲み水を手に入れられない人の人口は6億6,300人にのぼります。
そして毎日800人もの人たちが、汚れた水を飲んだことを理由に命を落としているのです。
私たちがなんとなく過ごしている今日この日も、また800人の命が不衛生な水が原因で亡くなっています。
こうして年間に命を落とす人の数は、30万人にものぼります。
日本で生きていると現実味のない数字ですが、ユニセフが発表している紛れもない事実です。
引用:ユニセフ公式サイト
水汲みは子供たちの仕事
日本では一番に保護されるべきだと考えられる子供。
しかし、ほとんどの発展途上国では、毎日の水汲みは子供たちの仕事です。
浄水機能が整備されていないため、池や川などの飲み水には適さない水をくむために毎日遠い道のりを歩きます。
ようやく辿り着いた水源にあるのは、動物の糞尿や泥などの雑菌が混ざった危険な水です。
しかし生きながらえるためには、その水を飲み続けるしかありません。
特に子供は抵抗力が弱いためすぐに下痢を起こしやすく、そこから栄養失調や肺炎などの病気を引き起こし、命を落としていくのです。
世界的な水不足の原因は水がある国?
水が有限の資源であることを意識したことがあるでしょうか?
日本に住んでいると無限にあるように思わされる綺麗な水。
でも、世界には必要な水が手に入らない国が存在しています。
その原因になっているのが、気候変動による干ばつや大雨による水害です。
降水量の激しい変動があると、必要な水が確保できない季節が生まれます。
水が必要なときに、必要な場所に供給できない状況が、世界的な水不足を引き起こしています。
このような気候変動は、自然と起こったものではありません。
世界的な水不足の原因3つ
世界的に水不足が進んでいる原因は、主に3つあげられます。
①人口の上昇
②森林の伐採
③産業の発展
これら3つの原因のうち、日本が原因となっていると言える理由には2つ当てはまります。
✔️水不足の原因①:人口の上昇
日本では少子高齢化が進み、高齢者を若者が支えきれないことが問題視されています。
しかし世界規模で見ると、人口は右肩上がりに上昇。
人が増えるということは、必要な水が増えるということです。
使える水は有限なため減っていく一方で、水が必要な生物の数が増えているため、水不足は過酷になる一方です。
✔️水不足の原因②:森林の伐採
都市化が進むほど、水源となる森林を伐採するようになったため、水を確保する手段が減ってしまいました。
水を生産し浄化、貯蔵する森林を減らしてしまえば、水が減ってしまうのは当然のことです。
✔️水不足の原因③:産業の発展
産業が発展するごとに、排水が増えました。
家庭からの排水や、工場からの排水が深刻化するごとに、汚れた水が綺麗な水を汚染していきます。
今までは綺麗だった水が、産業の発展とともに汚れているのが現状です。
世界の水不足を解決するために動き始めた産業
産業の発展が一概に悪いものとは言えないのも事実です。
日本は海水の淡水化や下水の再利用など、水不足を解決するために必要な高い技術を持っています。
アフリカや中東などの水不足が深刻な国への積極的な導入も進み、より多くの人々が安全に生きられる世の中が実現されようとしているのです。
水環境のために動く企業も
世界の水不足を解決しようと、支援をするための活動をする企業も出てきました。
SDGsへ取り組む姿勢のある企業が増えている現代、地域の人々を巻き込みながら人材教育を行う他、非営利団体の立ち上げに取り組んでいます。
世界の水不足。今私たちにできることとは
世界が水不足に悩む今、個人ができることから始められると良いですね。
まずは無駄な水を使わないよう、こまめに水を止めてみることから実践してみてください。
大きい行動ができなくても、個人が少しずつ意識をして節水をするだけで、大きな結果を生み出せるはずです。