ひとり親家庭に無償でお弁当を届ける、一般社団法人こどもの笑顔弁当を運営する笹裕輝さん。今回はその活動実績や運営に携わるメンバー、活動に対する思いについてお話を伺ってきました。

こどもの笑顔弁当の活動実績について

-これまでのこどもの笑顔弁当の活動実績についてお聞かせください。

前身の活動を含めると、これまで約43,000食、約2,800世帯のご家庭を支援させていただきました。お届け地域に関しては、現在東京都内11区*となっております。

現在のお届け対象区域:江戸川区、葛飾区、足立区、千代田区、港区、新宿区、豊島区、品川区、大田区、世田谷区、目黒区

-お弁当を無償で届けるにあたって、何か努力されていることはありますか?

飲食店の方には、栄養価の高いお弁当をできるだけ安く提供していただけるようお願いしています。また、芸能人の方を始め多くの方々に周知等ご協力いただきながら、支援金を募るサイクルを作ることに力を注いでいます。

また、支援をしていただく企業の皆様へメリットを提供できるように、僕たちの活動そのものが、広告としての役割を果たせることを目指しています。活動が様々なメディアに取り上げられることによって、広告としての価値を高めていければと考えています。

一緒に活動するメンバーや活動への思いについて

-運営メンバーについてお聞かせください。皆さんどのような経緯で参加されているのでしょうか?

運営のコアメンバーは6名、配達メンバーは常時25名程度在籍しています。配達メンバーは大学生の方が多く、そして運営メンバーにも大学生2名が参加していますので、比較的若いチームだと思います。

大学生を始めとした、いわゆるZ世代*と呼ばれる若い世代は、僕たちのような活動にとても敏感に反応してくださる方が多いです。”こんな活動をやりたくてしょうがない!”と興味を持ってもらえることは、とてもありがたいですし頼もしいと感じています。

活動に参加するきっかけは、知人の紹介であったり、経営者の方の呼びかけで来てくれるといったケースがほとんどです。

Z世代とは・・・1990年後半から2015年頃までに生まれた人々を指す。デジタルネイティブでネットリテラシーが高く、物事の本質を重視する世代のこと。

-活動を始めてから今まで、大変だったことや嬉しかったエピソードについてお聞かせください。

実は大変だと思ったことはあまりありません。いえ、気づいたらドツボにハマってやめられなくなったという言い方が正確かもしれません。

活動を始めた頃、たくさんの方の思いを乗せて届けなければ意味がないと思い、お弁当にとあるシールを貼って配達していました。シールには支援をしてくださった方のメッセージやどこのお店のお弁当かといったことが記されていました。

そしてしばらくすると、それを読んだ子どもたちから手紙が返ってくるようになったんですね。

他にもありがとうの言葉であったり、汗だくで配達に行くと麦茶を出してくれたりなど、お弁当を届けることを通じて、ほっこりする優しさに触れることができました。


もちろんビジネス的には苦しい面はありますが、大変さよりも楽しさの方が上回ってしまいましたね。僕たちも子どもたちもみんな笑顔になれる、幸せのスパイラルがそこにはありました。

若者世代に支えられ幸せのスパイラルを生み出していく、こどもの笑顔弁当の活動。次回は、その活動がどう社会に貢献していくことができるのか、そして活動する上での課題は何か、笹さんのご意見を伺いたいと思います。