寄付やボランティア活動などで社会に貢献したい気持ちがあっても、忙しくて時間を割けない人は多いでしょう。近年はさまざまな寄付方法が用意されており、買い物やネットサーフィンのついでに寄付することも可能です。主な寄付方法と注意点を解説します。

直接的な寄付の方法

現金や物資を直接寄付する方法は、古くから定着しています。現金は難しい手続きが不要で、少額から寄付できる点が大きなメリットです。

物資の場合は、資源の有効利用にも役立ちます。直接的な寄付方法の代表例を見ていきましょう。

募金箱に寄付をする

募金箱への寄付には、主に以下の二つの方法があります。

  • 街頭での募金活動に協力する
  • 店頭の募金箱にお金を入れる

街頭の募金活動は、駅前や大通りなど人通りの多い場所で実施していることが多く、通勤や外回りのタイミングで気軽に寄付できます。

コンビニエンスストアによく立ち寄る人は、レジ横にある募金箱を利用してもよいでしょう。受け取ったお釣りを入れるだけですから、時間がない人でも無理なく寄付が可能です。

寄付付き商品の購入

日用品を購入する際に、『寄付付き商品』を選ぶ方法もあります。商品代金の一部をメーカー側がまとめて団体に寄付してくれるため、買うだけで寄付が完了します。

寄付付き商品と寄付先の主な例は以下の通りです。いずれもネットで簡単に購入でき、店までわざわざ買いに行く必要もありません。機会があれば探してみるとよいでしょう。

  • サラサクリップ赤い羽根:赤い羽根共同募金
  • 社会貢献型QUOカード:赤い羽根共同募金
  • ダスキン台所用スポンジ:子供の未来応援基金

物資の寄付

自分には必要がなくなった物でも、まだ使える場合は、団体や施設に直接寄付する方法があります。おもちゃや学用品、洋服などは児童養護施設に寄付すると喜ばれるでしょう。

物資によっては、開発途上国の支援団体にも寄付できます。ただし、物資は輸送・保管・仕分けにコストがかかるため、団体側が受け入れに条件を設けているケースがほとんどです。

例えば、ランドセルや学用品を開発途上国に届ける活動をしている団体では、寄付したい人に別途指定の輸送費を納付するよう求めています。

ランドセルがきれいな状態であることや学用品の種類も厳格に決められており、条件に合わない物は受け付けていません。物資の寄付では、本当に役に立てる物だけを正しい方法で送る意識が大切です。

ネットを利用した寄付の種類

インターネットの普及により、現金や物資以外の寄付方法も選べるようになりました。主な例を二つ紹介します。

ポイントの寄付

クレジットカードやショッピングサイトなどが付与するポイントは、そのほとんどが寄付に利用できます。ポイント交換用のサイトにログインして交換先に寄付を選ぶだけなので、やり方も簡単です。

1ポイントから使えて、ポイント数の指定も可能です。買い物で貯まったポイントを消費するだけなので、現金よりも気軽な気持ちで寄付できるでしょう。

作ってみたもののあまり使っていないカードのポイントや、中途半端に残っているポイントを無駄なく活用したい人におすすめの方法です。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを利用した資金調達の手段です。この仕組みを活用して、寄付金を集める団体も増えています。

クラウドファンディングでは、寄付を募る目的や活動の理念、目標金額などが具体的に示されており、自分が納得した上で寄付できます。

目標金額に到達した後は成果報告もしてくれるので、他の方法に比べて達成感を得やすいのもメリットです。ただし、募集期間が決まっているためタイミングが合わず、希望の寄付先が見つからないケースもあります。

自分で寄付金の用途を決めたい場合は?

大切なお金を出す以上、用途を決めて寄付したいと考える人も多いでしょう。自分の考えに合う寄付先の探し方や、希望の団体に寄付する方法を解説します。

寄付先の団体を選ぶ

社会貢献にも、さまざまなジャンルがあります。開発途上国の医療支援・貧困家庭の子どもへの支援・自然環境の保全など、寄付の目的も多種多様です。まずは、自分がどのような形で社会貢献したいのかを明確にしましょう。

「開発途上国の子どもにワクチンを届けたい」「災害や事故で親を亡くした子どもを支援したい」というように、具体的にイメージすると自分に合う寄付先を見つけやすくなります。

方向性が決まったら、関連する団体をピックアップしていきましょう。それぞれのウェブサイトを訪れ、活動内容や寄付金の用途をチェックして、自分の考えとマッチしている団体を絞り込みます。

団体のウェブサイトから寄付の方法を確認

寄付したい団体がある程度絞り込めたら、ウェブサイトでどのような寄付方法があるのかを確認します。クレジットカード決済や口座振替はほとんどの団体で利用できますが、ポイントや物資での寄付は受け付けていない団体もあるので注意が必要です。

ウェブサイトの説明だけで分からないときは、問い合わせフォームやメールなどを使って遠慮なく質問しましょう。

1回きりの寄付ではなく、毎月定額を寄付するコースを設けている団体もたくさんあります。定額コースで寄付すると、支援を受けた人から手紙をもらったり、団体が開催するイベントに招待されたりと、社会貢献したことをより実感できる特典がある場合が多いです。一つの団体を継続的に支援したい人におすすめといえるでしょう。

地方自治体への寄付はふるさとう納税

寄付金の用途を自分で決めたい人には、ふるさと納税もおすすめです。納税といっても実際は地方自治体への寄付ですので、好きな地域を支援することにつながります。返礼品として、地元の特産品をいただけるのも大きなメリットです。

さらにふるさと納税では、寄付金の用途をいくつかの案の中から指定できます。用途は自治体により異なるので、自分の希望に近い事柄に使ってくれる自治体を選ぶと満足度が高まるでしょう。

寄付をする場合の注意点

寄付は立派な社会貢献活動です。とはいえ、やり方を間違えると損をすることもあり注意が必要です。寄付する前に、押さえておきたい注意点を見ていきましょう。

寄付金控除を受ける条件

『寄付金控除』とは、特定の団体に寄付した場合、所得控除や税額控除を受けられる制度です。寄付金控除を受ければ納税額が安くなるため、寄付した側にもメリットが生じます。

同じ寄付という行為をするなら、寄付金控除を受けて節税につなげる方が賢明といえるでしょう。寄付金控除を受ける条件は以下の通りです。

  • 寄付金額が年間2001円以上
  • 控除の対象となる団体に寄付している
  • 確定申告をする

なお、所得金額の30~40%を超えた分は控除されません。たくさん寄付したからといって、全額が控除対象になるわけではないため注意しましょう。

参考:一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|国税庁

信頼できる団体に寄付する

寄付を募っている団体は、少し探すとたくさん見つかります。中には他の用途に流用する目的で寄付を募る団体もあるため、寄付先の情報は事前にしっかりと調べることをおすすめします。

団体の信頼性をチェックするポイントとして、以下のようなことが挙げられます。

  • 決算情報を開示しているか
  • 寄付金を集める目的と実際の用途が合致しているか
  • 代表者やスタッフの顔が見えるか
  • メディア掲載事例や受賞歴があるか


情報公開している団体でも、ウェブサイトが更新されていない場合は要注意です。定期的に更新され、最新の情報が載っているかどうかもあわせてチェックしましょう。

まとめ

仕事やプライベートで多忙な人でも、寄付を利用すればいつでも社会に貢献できます。今はネットで寄付する方法がたくさん用意されており、わざわざ現金や物資を持参する必要もありません。

あなたに合った寄付先を見つけ、やりやすい方法で、困っている人の支えになりましょう。