伊藤園について

出典:itoen.co.jp

伊藤園は『お~いお茶』などの人気商品を展開する、日本の茶製品および清涼飲料水のメーカーです。1966年に設立されて以来4000億円以上の売上高を誇っており、現在では5000人以上の社員がいます。そんな大手メーカーの伊藤園ですが、最近話題のSDGsに積極的な企業としてSDGsパートナーシップ賞を受賞しているのをご存じでしょうか?

本記事ではそんな伊藤園が取り組むSDGsについて主要な取り組みを紹介していきますので、興味がある方は是非最後までご覧になってください。

伊藤園が取り組むSDGsについて

ここからは伊藤園の主要なSDGsの取り組みについて紹介します。

茶産地育成事業

茶産地育成事業は、原料の安定的な調達と、日本の農業の課題解決のための取り組みです。耕作放棄地の増加や農業の後継者不足が深刻な状況にある日本農業の課題解決や、今後も需要増加が見込まれる緑茶飲料用を中心とした原料の安定調達の両立を目指して、茶産地のサポートを行っているといいます。その結果、現在日本の緑茶の生産量のうち、伊藤園が取り扱っている量は4分の1を占めています。

取組み1-契約栽培-

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契約栽培は、個々のお茶農家の方々に『お~いお茶』などをはじめとする伊藤園の製品に使用される茶葉を生産してもらうことを契約・締結する取り組みです。伊藤園ではこれらの契約栽培で生産された茶葉を全量買取していて、栽培指導や情報提供といったサポートを通じて茶葉の品質向上を目指しているそうです。

またお茶農家は全量買い取ってもらえることで、茶価の変動に左右されない安定的な農業経営をすることが可能となっています。

取組み2-新産地事業-

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新産地事業は、国内の耕作放棄地などを利用した大規模な茶園造成事業です。茶園の造成と茶葉の生産は、地元の市町村や事業者が主体となって取り組み、伊藤園はそれらに関する技術・ノウハウを全面的に提供するとともに生産された茶葉は全量買取しています。現在は静岡県、大分県、長崎県、佐賀県、鹿児島県、宮崎県などを中心に新産地事業が行われているそうです。

取組み3-緑茶原料以外の契約栽培-

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お茶以外にも産地育成事業の一環として、野菜飲料用の原料にも取り組んでいます。1999年から伊藤園が開発していた栄養価の高い人参である『朱衣』や、『充実野菜』や『1日分の野菜』で使われているモロヘイヤ、大麦若葉の契約栽培を拡大しています。

茶殻リサイクルシステム

茶殻リサイクルシステムとは?

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茶殻リサイクルシステムは、茶系飲料製品を製造する際に排出される『茶殻』を堆肥や飼料だけではなく限りある資源の代替原料としてリサイクルするシステムです。茶殻の年間生産量は54800トンにもなるといい、これは10t車で約5700台分にもなります。茶殻は消臭や抗菌といった効果があり、様々な製品にリサイクルが可能なため、伊藤園は製品への活用を進めています。

取組み1-茶殻配合製品の製造

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伊藤園では茶殻を以下の製品にリサイクルしています。

  【茶殻が活用されている製品】

  畳

  デザインウォール

  石膏ボード

  タイル

  ベンチ

  ボールペン

  インソール

  フィルム

  プランター

  うちわ

  3Dマスクフレーム

  名刺

  段ボール

  油とり紙

  紙ナプキン

  紙袋

  封筒

  キッチンペーパー

  人工芝

  自動販売機

  

 このほかにも茶殻は数多くの製品に活用されています。伊藤園では茶殻が有効資源であることを社会の常識にしていきたい、そんなビジョンがあるそうです。

私の街の未来の桜プロジェクト

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私の街の未来の桜プロジェクトとは?

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わたしの街の未来の桜プロジェクトは伊藤園の人気商品である『お~いお茶』などの桜パッケージ商品の売上金の一部を、各都道府県の桜の植樹や保全活動に寄付する取り組みです。桜がいつまでも日本の春を彩り、季節を楽しむ人々の笑顔に貢献していくことを目標を掲げています。対象となる桜パッケージ商品は春に期間限定で販売しています。

取組み1-日本各地での桜の植樹や保全活動への寄付

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桜パッケージの対象商品の売上の一部を桜の保全活動に寄付しています。また桜の植樹活動としてこれまでに日本各地で1158本の桜を植樹してきました。これらの桜の植樹活動は2019年から続けており、2022年は東京都、群馬県、鳥取県、岡山県、栃木県、神奈川県、千葉県、大阪府など数多くの都道府県で植樹活動を行っています。

自動販売機での売上を寄付

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そのほかの取り組みとして、伊藤園は自動販売機の売上金の一部を『おぎゃー献金基金』や『石川被害者サポートセンター』に寄付しています。『おぎゃー献金基金』は心身に障害のある子供たちを対象に施設や研究のサポートをしていて、『石川被害者サポートセンター』では被害者と家族のサポートを行っています。

こういった団体に寄付をすることは、SDGs目標10にある『人や国の不平等をなくそう』への貢献につながります。また、使われている自動販売機もLED照明やヒートポンプ機能、真空断熱材などを搭載することで省エネを実践しているそうです。

まとめ

いかがでしたか。伊藤園はSDGsパートナーシップ賞を受賞するほど数多くの先進的なSDGsに取り組んでいることが分かりました。特にお茶の生産やお茶資源のリサイクルに関しては大規模な取り組みを進めています。耕作放棄地の活用や、自社製品のために契約栽培を増やしていくことは、SDGsだけではなく日本のお茶産業を支える取り組みになっていくのではないかと思います。

本記事が皆様の参考になれば幸いです。