3月のライオンとは?
『3月のライオン』は2007年より白泉社発行のヤングアニマルにて連載中の羽海野チカ氏による将棋漫画です。将棋監修はプロ棋士の先崎学氏が担当しています。内容は、中学生でプロ棋士になった高校生・桐山零が、人々との交流を通じて成長し将棋の世界で躍進していく青春を描いたものとなっています。2011年に第4回マンガ大賞2011&第35回講談社漫画賞一般部門、2014年には第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。2016年~2018年にはアニメ化され、2017年には実写映画が公開されています。
3月のライオン効果で『将棋のまち・天童市』への寄付が増加
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将棋漫画である3月のライオンによる『将棋のまち・天童市』への影響が注目されています。『将棋のまち・天童市』は伝統的な将棋駒づくりの灯を絶やさないために、将棋人口の拡大に長年取り組んできました。その中で、2017年から『3月のライオン』をテーマとしたスタンプラリーを企画したところ、4万人を集客する人気イベントになったそうです。また2017年度には、同作品の実写映画化において主人公の桐山零れい役を演じた俳優の神木隆之介さんを、毎年恒例のイベント『人間将棋』のゲストとして招待。こちらのイベントは例年だと約4万人が訪れていたそうですが、この時はその3倍にあたる約12万人が来場する結果となりました。こちらのイベントは、甲冑を着込んだ人間を駒に見立てプロ棋士が対局するというものであり、ふるさと納税の寄付金が活用されているそうです。これらのイベントの効果について、関係者は以下のようにコメントしています。
『天童市が将棋駒の産地であることを広くアピールすると同時に、地元の農業も元気にしていきたい。そのためにふるさと納税の制度を最大限に活用しています。将棋ファンはもとより、漫画やアニメを入り口に、皆さんから天童市に注目していただければうれしいです』
また、天童市には『3月のライオンで将棋のまち・天童市を知り、寄付しました』という声も寄せられており、サブカルチャーを入り口として将棋人口の底上げを図るという試みが効果を発揮しているそうです。
新・将棋会館建設プロジェクト』で3月のライオングッズが返礼品に
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3月のライオンは日本将棋連盟のクラウドファンディング『新・将棋会館建設プロジェクト』とコラボレーションを行っています。こちらのコラボレーションではマグカップ、ステッカー、アクリルキーホルダー、クリアファイル2種、トートバッグとB5リングノート、マグネットセットの計5種類が返礼品として作成されました。今回の取り組みについて、日本将棋連盟は以下のようにコメントしています。
『絵柄も桐山零さんのキリっとした対局姿と、皆でピクニックを楽しむ和やかな雰囲気の2種類があり、さりげなく将棋好きをアピールするにはもってこいの品になったかと思います。また家で将棋番組を観ながらマグカップを使い、美味しい飲み物等を頂くのもおすすめの使い方。ぜひ将棋を楽しむ時間に「3月のライオングッズ」を加えて頂けたら嬉しいです、よろしくお願いいたします。』
描き下ろしイラストをチャリティオークションで販売
3月のライオンは6巻発売のタイミングで、朝日新聞全国版に描き下ろしイラストを使用したカラー全面広告が掲載されています。イラストは全部で5種類で、朝日新聞の販売エリアによって異なるキャラクターが登場しました。今回のキャンペーンで描き下ろされた5種類のイラストは、西武池袋本店にて開催された『羽海野チカ原画展~ハチミツとライオン~』でのチャリティオークションにて販売されました。このチャリティーオークションで得た収益は日本大震災被災地への義援金として寄付されたそうです。
まとめ
いかがでしたか。将棋をテーマにした『3月のライオン』とコラボレーションしたり、ふるさと納税の返礼品にすることで、寄付が増え多くの人が訪れるようになったことが分かりました。こうしたサブカルチャーと町おこしのコラボレーションは、現在様々な作品で行われています。今後もこうした漫画やアニメをきっかけに、寄付をしたり、その土地に関心を持つ方が増えていくと良いなと思いました。