出典:sonymusic.co.jp

2020年5月24日、ロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんが、認定NPO法人フローレンス(以下フローレンス)が実施する『新型コロナこども緊急支援プロジェクト』に医療用防護服と運営費を寄付したことを自身のブログにて発表しました。

この記事では、後藤さんが寄付するに至った経緯や、フローレンスの活動、後藤さんのその他の支援についてご紹介します。

後藤さんの寄付について

出典:rollingstonejapan.com

後藤さんは、日々、感染リスクと向き合っている医療従事者の皆さんを支えたいという思いから、なんと、輸入に関する全ての手続きを後藤さん本人が行い、医療用防護服を輸入しました。

また、日本国内の親子領域の社会課題に取り組むフローレンスは、2020年4月6日より『新型コロナこども緊急支援プロジェクト』を立ち上げました。

これは、コロナ禍の影響を特に受けている“医療的ケア児家庭”、“ひとり親家庭”、“経済困窮家庭”に向けた緊急支援を行うものです。このプロジェクトに共感した後藤さんは、医療用防護服3,240枚と支援活動のための運営費を寄付しました。

寄付のきっかけとなったのは、こちらの国立成育医療研究センターのSOSのツイートです。

このツイートをみたフローレンス代表理事の駒崎弘樹さんは、なんとかしたい!と思いましたが、当時、医療用防護服は品薄で手に入らないという歯痒い状況でした。そんな中、後藤さんがタイミングよく医療用防護服を購入したとのツイートが上がってきたそうです。

人的なことですが、寄付のために医療用防護服を買いました。輸入なんですが、今日やっと税関を通って、動き始めてからひと月くらいかかってしまった。マスクだって、同じくらいはかかるんじゃないかなと、思うわけです。

駒崎さんは意を決して後藤さんへ連絡を取り、今回の寄付が実現しました。当時の様子を後藤さんはこのようにブログで語っています

医療用防護服を購入して寄付しました。

偶然が重なってたどり着いた話だったのですが、寄付先を見つけないまま数千着の医療用防護服を買うべきかどうか、保管しておく場所や様々な手続きのことを考えて悩んでいました。額面も大きいですし、物資を抱えるリスクもありました。

そんなときに声をかけてくださったのが、認定NPO法人フローレンスの駒崎さんでした。物資を引き受け、医療機関への分配も手伝って下さるということで、話を進めることにしました。

引用:https://gotch.info/post/618993277352411136/

今回後藤さんが寄付した医療用防護服は、フローレンスの皆さんによって衛生用品が不足する各地のNICUやこども病院、以下6施設へ届けられました。

・社会福祉法人函館厚生院函館中央病院

・SUBARU健康保険組合太田記念病院

・国立成育医療研究センター

・静岡県立こども病院

・兵庫県立こども病院周産期医療センター

・和歌山県立医科大学

フローレンスの活動について

出典:florence.or.jp

フローレンスは、みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会を目指し、親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する団体です。

病児保育問題」「ひとり親問題」「待機児童問題」「障害児保育問題」「孤独な子育て問題」「赤ちゃん虐待死問題」といったさまざまな課題と向き合っています。

フローレンスへの寄付はこちらから行うことができます。

国内の子どもの福祉を寄付で支援する|認定NPO法人フローレンス

医療用防護服を購入して寄付しました。

コロナ禍の音楽業界も支援

後藤さんが行っている支援は、医療用防護服の提供だけではありません。無償で楽曲提供を行うことにより、コロナ禍で疲弊した音楽業界を支援する活動にも参加されています。新型コロナウイルスでライブ収益が見込めなくなったアーティストに対して、無償で楽曲データを提供することによって、自由にコラボレーションしてもらいリリースした曲の収益を提供するというプロジェクトです。

プロジェクトの概要はこちら:

楽曲のダウンロードはこちら:https://ototoy.jp/_/default/p/532261

1万人がそれぞれ1000円の寄付を行うと、1000万円になります。夏のロックフェスの参加者の総勢は数十万人です。少しの優しさや思いやりが集まると、あっという間にとてつもなく大きな力になります。

多くの人のささやかな思いが、困っている人たちの手に届くことを願ってやみません。お互いの背中に優しく触れるように励ましあって、様々な困難を乗り越えられたら嬉しいです。

「経済」という言葉を略さずに書くと「経世済民」。「世の中を収め、民衆を苦しみから救うこと」とあります。経済政策が評価されてきた政権が今まさに行うべきことは、この言葉にある通りだと思います。

行政による幅広い分野への支援、本当の意味での経済政策を引き続き求めて行きたいと思います。

引用:https://gotch.info/post/618993277352411136/

後藤さんの掛け声が呼び水となり、一人でも多くの方が賛同してくれるようになれば、たとえわずかな金額でも大きなムーブメントとなります。コロナ禍の支援だけでなく東日本大震災でも、積極的に支援を呼びかけていた後藤さん。後藤さんの社会に対する熱い思いについて、今後も注目していきたいですね。