17兆円の総資産の大半を寄付

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Amazon(以下アマゾン)の創業者であるジェフ・べゾス氏(以下べゾス氏)は、2022年11月14日に放送されたCNNテレビのインタビューで総資産約17兆円の大半を寄付すると発表した。

べゾス氏やスペースXの創業者であるイーロン・マスク氏(以下マスク氏)の寄付に対しては、以前から批判的な声も多くあった。その理由は、「2021 フォーブス400」に選出されたビリオネアのうち、資産の10%以上を寄付した人はわずか19人であり、べゾス氏やマスク氏は1%未満の寄付にとどまっていたからである。

それでも彼が寄付することを発表した理由は何なのだろうか?

アマゾンの創業者ジェフ・べゾスとは?

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1964年1月12日にニューメキシコ州アルバカーキで生まれたべゾス氏は、幼いころから科学や工作に強い関心を持っていた。高校を卒業する時には、ナショナル・メリット・スカラーシップやシルバー・ナイト賞などを受賞するほど優秀な学生であった。

フロリダ大学に進学し、電気工学・計算機科学の学位を取得した彼は、インテルなどの大企業からスカウトがくる中、金融決済システムのスタートアップ企業のFitelに就職した。社内でも順調に昇進していき、開発部門と顧問サービスの責任者になった。

その後は別の会社に就職し、副社長にまで上り詰めた。この会社では、当時話題となっていたインターネットに関する事業に携わっており、その中でインターネットによる通販サービスの可能性を確信した。そして1993年には、オンライン書店をスタートさせ、これがアマゾンの始まりであった。

世界的大企業「Amazon」

両親から30万ドルの資金を借り、自宅のガレージから全てが始まった。今では時価総額1兆ドルの世界的大企業であるが、当初は多くの投資家に融資を断られていた。また自身も「70%の確率で破産する」と考えていた。

オンライン書店からスタートしたビジネスであるが、べゾス氏は常に事業の拡大を検討していた。1998年には音楽や映画の販売も始め、その時から少しずつ日用品の販売を始めた。

徐々にアマゾンの事業は拡大していき、2011年にはアメリカにおいてフルタイム従業員を3万人雇用するほどの企業になった。

2020年にはアメリカでのECシェア40%を獲得するまでに成長した。送料が無料になるAmazonプライムや電子書籍であるKindleなど魅力的なサービスを展開している。

寄付に対する思い

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総資産の半分を寄付するにあたって、べゾス氏にはある思いがある。CNNの放送の中で、「今の世の中は多くの分断が起きており、自分の目的を達成するために争いが利用されている状況に不安を感じている」とコメントしている。今回の寄付は、気候変動への対策や社会的・政治的分断を結束させるための寄付である。

まとめ

今回の記事では、ジェフ・べゾス氏の寄付だけでなく、人となりやアマゾンについて紹介した。総資産の半分を寄付するという発言に多くの人が驚いたのではないだろうか。彼のように高額の寄付を行う事はできないが、今の社会や世の中に不安のある人は、自分にできる事から初めてみることが大切である。