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女子テニスで世界2位の記録を保持する大坂なおみさんは、2021年9月19日に米シンシナティで行われたウエスタン・アンド・サザン・オープンの賞金全額を、父の祖国であるハイチへ寄付しました。
ハイチでは同月14日にマグニチュード7.2の大地震が起きており、80万人以上の被災者がいることが発表され、多くの人の心を痛めたでしょう。
大阪なおみさんは、自身にできることをするために、立ち上がったのです。
そしてこの姿勢に賛同した大会主催者はなんと、大阪なおみさんの稼ぐ賞金と同額を寄付することを発表。優勝者の賞金は25万5220ドル(約2810万円)にものぼるため、大会主催者にとっては覚悟ある決断だったと言えるでしょう。
それだけの決断をくださせた大阪なおみさんの影響力は偉大なものであり、どちらの決断も評価に値するはずです。
この記事では、大阪なおみさんがどのような人物なのか、賞金全額をタヒチへ寄付するほどの想いや背景にせまります。
大坂なおみとタヒチの関係性とは?全額寄付を決断する理由
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大坂なおみさんが賞金の全額を寄付するほどの「ハイチ」は、カリブ海にある国です。
西半球で最貧国であるとされ、面積としてはカリブ海にある国のなかで3つ目に大きな国とされています。
裕福な1%だけが国の半分もの富をもつ、貧富の差が激しい国とも言われており、国民のほとんどが1日1ドル以下の生活をしていると言われる国です。
街並みがカラフルで国民のほとんどがアフリカ系の黒人であることもあり、カリブ海にあるアフリカのような雰囲気をもちます。
ストライキや度重なる自然災害により情勢は安定しない中でも、民族楽器を使った演奏を楽しむなど、人々は笑顔を忘れません。
ハイチに生まれた父をもつ大坂なおみ
治安が安定しない国ではありつつ、美しい海をもつハイチ。
もともとフランス植民地だったこともあり、とれる魚屋トロピカルフルーツを使った料理は美味なのだとか。
そんな場所を祖国とする父のもとに生まれ育った大阪なおみさん自身は、3歳のときに日本からアメリカへ渡っています。
つまり、本人は日本とアメリカへの繋がりはあれど、ハイチへ直接の関係はないと言えるでしょう。
それでもハイチ人と日本人の間に生まれた大坂なおみさんは、日本人としても珍しいルーツの持ち主。
日本とハイチをつなぐ存在として、両国にとってかけがえのない人物であると言えるでしょう。
日本の国籍を選んだ大坂なおみ
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ハイチをルーツとしている父親はアメリカに移住をしていることから、大坂なおみさんも22歳になるまでアメリカと日本の二重国籍を保有していました。
大坂なおみさんが最終的に選んだのは、日本の国籍です。
黒人系の肌色をもつ大坂なおみさんは、現代の日本人にとってもまだ珍しいと着目される存在であり、長くにわたり世界で議論されている黒人差別問題とも向き合っています。
日本国籍を選ぶということがテニスのためであったとしても、それは大きな決断であるのと同時に、日本にも新しい常識の流れを生み出す存在になったのではないでしょうか。
大坂なおみが全額寄付!その結果とは?
結果としては、世界76位であるスイスのタイヒマンに逆転負けをすることになり、3回戦敗退。その賞金は2万4200ドル(約266万円)、大会主催者の寄付額と合わせると4万8400ドル(約532万円)となりました。
その立派な金額だけでなく、賞金の「全額」を寄付するという大坂なおみさんの姿勢そのものが、評価に値するでしょう。しかしこの結果を大阪なおみさん自身は、「本当に増額できなくて残念」と語っていました。
大坂なおみさんはその存在と行動によりこれからも、日本を世界とつなげる誇り高い日本人として活躍してくれるのではないでしょうか。