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メジャーリーガーの筒香嘉智選手が2020年5月22日、新型コロナウイルスの影響が広がっていることを受けて、高校時代とプロ野球の横浜DeNA時代を過ごした横浜市と、自身の出身地である和歌山県橋本市に寄付する意向を発表しました。なお、金額については非公表となっております。

<筒香選手のプロフィール>

筒香 嘉智(つつごう よしとも):和歌山県橋本市出身のプロ野球選手。横浜高等学校、横浜DeNAベイスターズ を経て2019年12月16日にタンパベイ・レイズと契約を結びメジャーへ。その後ドジャーズを経て2022年現在はパイレーツに在籍している。

筒香選手の寄付への思い

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筒香選手は所属事務所を通じてこのようにコメントしています。

タンパベイレイズの筒香嘉智です。今回のコロナウイルスのまん延で多くの方が大変な思いをされていることと思います。自分自身もメジャー挑戦1年目がまさかこのような状況になるとは想像もしていませんでした。今は、メジャーリーグ開幕に向けてできる準備を進めています。さて、このたび、私が生まれ育った和歌山県橋本市と、高校時代・ベイスターズ時代を過ごした横浜市を通じて寄付をしたいと思っています。野球界では、残念ながら夏の甲子園大会も中止となり、中学生や小学生も多くの大会が中止になっていると聞いています。特に、高校3年生、中学3年生、小学6年生の選手の皆さんを少しでも勇気づけられるように活用いただければと願っています。それぞれの立場で状況は違うと思いますが、今こそ知恵と勇気を出し合い、この状況を乗り越えていきましょう。

メジャー移籍1年目から、新型コロナウイルスの影響を受けた筒香選手。寄付をしようと思った背景には、自身の状況と球児たちの姿を重ねたからかもしれません。

コロナ禍での高校野球の現状

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第92回選抜高等学校野球大会は、無観客で開催する方針でしたが、2020年3月11日に中止が決定されました。春のセンバツ大会は太平洋戦争の影響で1942〜46年に中断したことはありましたが、開催を予定されていた大会が中止となるのは初めてのことでした。21世紀枠で出場予定だった磐城高の岩間主将は「きょうの練習は自分たちのため。ゆくゆくは夏につながる」と話していたそうです。

しかしその思いも虚しく、続く第102回全国高等学校野球選手権大会についても、2020年5月20日に開催の中止が正式に発表されました。多くの学校でいまだ休校が続き、部活動が再開できていない状況にあるほか、選手や大会関係者、観客の感染リスクなどから、開催中止を決めたとのことです。夏の甲子園大会も、戦争の影響で1918年と1941年に中止されたことはありましたが、戦後の大会中止は初。また春夏連続で大会が中止となるのも史上初のこととなりました。

特に、最後のチャンスだった高校3年生の球児たちには辛い現実を突きつけられる結果となりました。

筒香選手のファンの皆さんから寄せられた声

“和歌山県橋本市出身、筒香嘉智君の寄付で素晴らしいな”

“筒香さん寄付してくれたの?ほんま出来た人やね…メジャーでたくさん活躍して…10年後くらいに横浜に戻ってきてほしいな。それまでファン続けるよ私”

https://twitter.com/reina_QV/status/1264530428045606913?s=20&t=gPoDT4tky7pTs2BmZEFVfw

“筒香〜寄付なんてステキすぎる。コメントも最高だよメジャーで活躍するところ早く観たい”

https://twitter.com/19hamaken19/status/1264530746498183171?s=20&t=gPoDT4tky7pTs2BmZEFVfw

“つっつはいつも素晴らしい。寄付が本当に子ども達を勇気付けるのために有効に使われますように”

https://twitter.com/stars_hama/status/1263926347891503104?s=20&t=gPoDT4tky7pTs2BmZEFVfw

横浜DeNA時代からのファンの方をはじめ、多くの肯定的な声が寄せられています。

 新たな動き

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その後パイレーツへ移籍した筒香選手は、現在、地元の橋本市に、子どもたちも利用できる球場を建設しているとのことです。2021年12月21日、和歌山県庁の仁坂吉伸知事を表敬訪問し、少年時代の稲刈り後の田んぼで、ノックを受けていたエピソードを仁坂知事に紹介したそうです。そのとき体験したようなことを、今の子どもたちに伝える拠点をつくりたいという思いで建設を始めました。球場は、2022年中の完成を目指しています。

日本には寄付や慈善活動という文化は、まだまだ根付いていませんが、欧米のトップアスリートがチャリティーを行うのはいたって普通のことです。筒香選手の活動をきっかけに日本にもこのような社会貢献の形が広がっていくことを期待しています。