一般財団法人日本寄付財団の2021年度助成事業の助成先の一つとして選ばれた一般社団法人日本承継寄付協会。このたび助成金を活用し、寄付遺言書の作成助成を行う「フリーウィルズキャンペーン」を実施することになりました。この記事では、日本承継寄付協会の概要やフリーウィルズキャンペーンについてご紹介します。

⼀般社団法人日本承継寄付協会について

日本承継寄付協会は、気軽に寄付や遺贈寄付の手続きを行うことができるよう、調査や情報発信、研修活動を行う一般社団法人です。財産の一部を寄付することで、地域や社会の未来のために社会貢献をしたいという方を支援しています。

遺贈寄付は「誰もが負担なく想いをかたちにできる」ものです。このような遺産からの寄付は、お金持ちがするイメージがありますが、決して高額である必要はなく、リスクのない、誰もができる社会貢献です。しかし、相談先が少なく、寄付の意志があっても実現できていないのが現状です。

遺贈寄付とは

遺贈寄付は、相続財産の一部を遺言を通じて「亡くなった後」に寄付する取り組みで、生きた証として社会貢献をすることができます。寄付者は寄付先として、教育・環境・医療・貧困・文化・動物・地域・災害支援など、応援したいNPO法人、財団・社団や、大学などを選択し、残った財産の一部を想いとともに未来へ託すことができます。

亡くなった後の財産の寄付のため老後の資金に影響がなく、少額(数万円、1%等)でもできる「自分らしさの表現」として、近年注目が集まっている新しい社会貢献の選択肢のひとつです。

日本承継寄付協会では、まず多くの方に知っていただく方法として財産相談をする専門家(士業、金融機関、FP等)が遺贈寄付を知り、良さを伝えることができるようになることが重要と考え、専門家育成に力を入れています。遺贈寄付の情報発信メディア「えんギフト」の発⾏を開始しました。「えんギフト」は遺贈寄付を検討し、実際に寄付先を選び遺言書を作成する中で疑問を解消するためのメディアで、申請していただいた全国の士業・金融機関を中心に無料で配布しています。

 日本の現状

「遺贈寄付」については、現状ではその方法や魅力を知らない人が多く、名前は聞いたことがあっても「お金持ちがするもので、自分には縁がない」「そもそも寄付先がわからない」といった理由で、内容まで理解しているの方が少ないのが現状です。一方で、「遺贈寄付」が少額でもできることを知ると47%の方が遺贈寄付をしてみたいという意向を示しており、内容について知ることにより「遺贈寄付をしたい」という方が増えることが分かっています。

イギリスの調査では、専門家が遺言書作成の際に遺言者に積極的に遺贈寄付について質問することにより、遺言に寄付の記載をする人が3倍になったという結果もあります。また実務の現場でも、「えんギフト」を使って実際の寄付先を見ながら遺贈寄付の説明をすると「こんな選択肢があることを知って本当によかった」と喜んでいただけることが多くあります。

フリーウィルズキャンペーン(遺贈寄付の専門家報酬助成)について

日本承継寄付協会は、専門家費用を助成することで寄付検討者の負担を減らし、遺贈寄付の実現を支援したいと考えました。国内の遺贈寄付の認知を広げるために、イギリスの事例を踏まえ、⽇本初となる遺贈寄付の相談・遺贈寄付を伴う遺言書の作成を無料で行う「無料遺言書作成キャンペーン」を一般社団法人全国司法書士法人連絡協議会にご協力いただき開催します。

このフリーウィルズキャンペーンは、寄付遺言書作成の経済的負担と専門家へ相談する心理的負担を軽減するとともに、日本における寄付文化醸成に貢献することを目的としています。

フリーウィルズキャンペーン日程について

●第1弾 2022年8月22日(月)〜31日(水)

⽇本初となる遺贈寄付の遺⾔書作成に伴う専門家への報酬を「無料」とする、「フリーウィルズウィーク(無料寄付遺言書作成週間)」を一般社団法人全国司法書士法人連絡協議会の協力のもと開催

●第2弾 2022年9月12日(月)〜 2023年2月28日(火)

日本初の遺贈寄付の遺⾔書作成に伴う専⾨家報酬の「一部助成」を実施。全国の士業、金融機関等遺贈寄付の相談を受ける専門家への報酬が対象。

*キャンペーンサイト はhttps://fwcjapan.izo.c-i.cfbx.jp/ 

フリーウィルズキャンペーン第一弾について

相談窓口を経由してご紹介する司法書士の方々のご協力のもと、寄付遺言書作成を「無料」で実施いたします。(該当する寄付遺言書の要件あり)

・期間:2022年8月22日(月)〜31日(水)

・対象者:遺贈寄付を考えている、または関心のある方

・費用(参加費、相談料):無料
     *印紙代、郵送費などの実費はご相談者負担となります。

 ・対象となる寄付遺言書要件:シンプルな遺言書であること /自筆(保管制度利用を前提) /寄付額10万円以上 /遺留分侵害なし /執行者付帯必須(士業従事者,弁護士,司法書士,信託銀行等) /山林、田畑なし /自社株なし /不特定不動産なし /未登記不動産なし

・応募方法:
(1)2022年8月22日(月)〜31日(水)の期間中にフリーウィルズウィーク相談受付にお電話をいただいた方が対象となります。​
*先着順のため上限数がございます。また申請後、要件を満たし承認された方のみキャンペーンが適応されます。

(2)2022年9月末までに、相談窓口より案内された対象事務所でお打ち合わせいただき、無料作成の対象と判断された場合は担当司法書士より申請。


(3)2023年1月末までに、申請を承認された後、担当司法書士とともに寄付遺言書を作成、保管制度利用まで実行いただきます。

* 司法書士法人制度の健全な発展を目指した活動を担う一般社団法人 全国司法書士法人連絡協議会の協力により実施

遺贈寄付を通じて社会との新たなつながりを持つことや、人生の集大成のお金の使い方を考えることで、そこから先の人生が輝くことがあります。このキャンペーンが、新しい社会貢献について考えるきっかけになるのではないでしょうか。ぜひ周りの方へもシェアをお願いいたします。