災害時に寄付を行う著名人はたくさんいますが、そのなかでも江頭2:50さんの活動には目を見張るものがあります。もともとの芸風から、どちらかというと好感度が低めだった江頭さんですが、東日本大震災の時の勇気ある行動から、一気に好感度があがりました。

彼が称賛されるのは、寄付をしているということだけではなく、彼の寄付への考え方や、言葉がけも多くの人を魅了しているからといえるでしょう。

この記事では、江頭さんの考え方からみる災害時支援について学びを深めてみましょう。

九州豪雨被害に100万円寄付に批判の声も

2020年7月9日、江頭さんが運営するYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」で、九州豪雨の被害にあった自治体に100万円寄付するという動画を投稿しました。九州豪雨は熊本県を中心に被害をもたらし、約1060ヘクタールが浸水。

球磨村地区は、浸水の深さが最大9mにも達し、その地区にあった特別養護老人ホームでは、水没した施設で入居者14人が死亡しました。甚大な被害を受けた九州地方の人に向けて「大変だと思うけど、体調管理やコロナに気をつけてくれ!お前らは一人じゃないぞ!絶対に諦めるな!」と声をかけました。

YouTubeのコメント欄には、江頭さんの寄付を称賛する人が多かったものの、中には「100万円って少なくない?」「芸能人だったらもっと寄付しろよ」という書き込みもありました。しかし、被災地の方からは「一つひとつの言葉に涙が出てしまいました。」「不安で押し潰されそうな人、たくさんの人にエガちゃんの声はきっと届いています。」といった声が届きました。

東日本大震災「体で払いに来た」

江頭さんの災害時の支援活動は、東日本大震災の時から話題になっていました。東日本大震災は、地震後の大津波により甚大な被害が発生しました。死者はおよそ2万人超え、行方不明者は2500人超えで、今も見つかっていない人がたくさんいます。

災害直後に、江頭さんはペーパータオルや飲料水、生理用品などを購入し、2トントラックに積み込んで福島県まで届けたのです。福島に荷物を届けようと思ったのは、NHKで福島に救援物資が届いていないこと、トラックが目前まできて引き返してしまうということを知り、その時に「俺しかいない」と思ったからだそうです。とはいえ、その時はトラックも救援物資もありません。

そのため、ご自身の知り合いでトラックを貸してくれる人を探したところ、「タダで貸してやる」と言ってくれる人と繋がったそうです。救援物資は、コストコに電話をしたら発言権のある人に代わってもらえて、「お金はかかりますが、必要なものは全部用意します」と言ってもらえたそうです。

そして、多くの支援物資をトラックにのせて被災地まで向かうことができました。本当は誰にもいわずに寄付だけしてくる予定だったそうですが、現地の女性がTwitterで「エガちゃんが来たみたい」と投稿したことで情報が広まりました。

それに対して「アコムから借りてきた!営業妨害だよ」と言ったことで、さらに江頭さんの人気が高まりました。この時にコストコが支援物資に協力してくれたことに恩義を感じ、コストコで爆買いをされたそうです。

また江頭さんは「いや、違うんだよ。ほかの芸能人はお金をもの凄い金額で募金してるじゃない。オレはお金ないからさ。体で払ってきただけなんだよ。オレはちょっとの人間を喜ばせて、ちょっとの物資だよ。ながーく何日も何日もボランティアやってる奴に比べたら、全然大したことじゃないんだよね。」と話されています。

江頭2:50は多くの勇気を寄付した

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江頭さんの活動が被災地の人に喜ばれ、日本中で称賛されたのは「寄付した」という行為だけではなく、被災地の人を本気で心配し、これだけの行動を起こしたこと、それでいて謙虚であることではないでしょうか。

当時の福島県は、津波や原発事故もあり、現場は混乱していたと思います。その中で、トラックも支援物資も調達するところから自分で行い、現地に向かうというのはなかなかできることではありません。

そして周りの人から称賛されても奢ることなく、謙虚なところからも、江頭さんのまっすぐな人間性とあたたかい人柄を垣間見ることができます。

その気持が、被災地の人に多くの勇気をもたらしたことはまちがいないでしょう。

私達個人にできること

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災害時、私達個人はどのようなことができるでしょうか。江頭さんは、ニュースで現地で困っていることを知って、その物資を届けることを決意されました。現地で何が起きていて、何に困っているのかを知るというのはとても大事なことといえます。

被災地にはよく千羽鶴が届くそうですが、片付けに追われているなか、新たに千羽鶴が届くというのは、現地の人をさらに困らせる行為となっています。仮に「私は千羽鶴を送った」と満足している人がいるのであれば、それは寄付、被災地支援とは逆行のことといえます。

他にも、腐ったパンや破れた服が届いたり、不良品の処分を「寄付」と勘違いしている方もいるそうです。現地に行かないと気づけない支援というのはありますが、現地の人が何に困ってるのか?という関心の目でみることで、本当の支援につながっていくと思います。